日山協 自然保護指導員の2008年度 認定講習会の報告

日本山岳協会 自然保護指導員の認定講習会の報告(2008年度)

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9月7日(日)、ブナの自然林が残る奥多摩三頭山の檜原都民の森で、(社)日本山岳協会 自然保護指導員の新規認定「机上・実地」講習会が都岳連自然保護委員会主催で行われた。
 
JR武蔵五日市駅前に9時集合、貸し切りバスで檜原都民の森へと向った。講習は車内で始まり、小高講師から都岳連活動紹介、森林に囲まれた研修センターでは、藤井講師
から三頭山の地質・地勢の特徴の講義と三頭大滝付近にて奥多摩の地質、断層を探索した。昼食後は、岡田講師から自然保護指導員の基礎知識と心得、水質調査とその目的が講義されて、3班に別れて沢の水の水質調査実習を行った。
 帰りの車中では積極的な意見が出され、来年度から始まる新指導員の活躍が期待される講習会となった。

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帰路の車中での感想:(参加者20名中、18名からの感想)

  • 山でトイレに行き難くなる。
  • 地質が少し難しかった。
  • 自分の山行が常にインパクトを与えていると思っていたが、やはり複雑な思い。
  • 水質検査が有意義だった。
  • 山の準備をしてきて、歩かなくてすんだのは良かったのか?(物足りない?)これから先のことを思うと責任が重いと感じる。
  • 数時間の講習で指導員とは心配。メルマガでもっと情報が欲しい。
  • トイレ使用料を100円払っていたが、200円位支払わなければと感じた。
  • トイレの持ち帰りは実施しているが、現物の持ち帰りに抵抗があったが、今回考え直さねばと思った。
  • 山が疲弊していくのを感じた。自分に何が出来るのか考えていきたい。
  • 人間との共存が大事。ほったらかしではいけないと思った。
  • 考えるのに良いきっかけとなった。
  • 米国では施設を整えて入山料として30$くらい徴収している。そろそろ日本でも徴収するべく検討したらどうだろうか。
  • 人が山へ入るインパクトとの折り合いを考えなくてはと思った。
  • 歳とともにトイレの快適性を求めてきた。雲取山の500円は妥当だと思えた。
  • 自分も山を汚してきたのかと反省しながらの参加でした。
  • 今年のカタクリパトロールに参加した。山の成り立ちに興味を覚えた。”お花つみ”は好きだったが反省し、(携帯トイレを)自ら実施して行く事で広めたい。
  • トイレの意識を新たにした。地質は楽しかった。
  • 三頭の大滝を別の目で見られて良かった。テントを指定地以外で張らないよう注意していきたい。
  • 自分に何が出来るかわからないが、努力していきたい。

 全体として「地質を有意義と感じた参加者多数。これから山に登る時に、山を見る眼が変わる」との感想もありました。

アンケート:
 し尿持ち帰り袋(トイレパック)を使用した経験のある受講生は1名のみ。今後のPRが必要と思われた。

受講生:20名 (女性6名、男性14名、40代が2名、残りは50代と60代が半々) 

委員会スタッフ16名
講師:藤井、岡田、小高
委員:渡邉、西山、山根、猪狩、大島、徳永、溝口、小島、廣田、野口、小林、野本、小原

投稿:大島、西山、小島
写真:基礎知識の講義、水生生物の調査、地質の調査

2008年 秋の自然観察会(紅葉の奥多摩)のご案内 [終了]

紅葉の奥多摩 網代城山ハイキングと自然観察

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 錦秋の奥多摩、あきる野丘陵でハイキングをしながら当委員会のベテラン講師陣と自然や山野草、地形などについて観察します。丘陵の自然の爽やかな冷気に触れて、なぜ紅葉するのか? 自然とは? 地球とは?森林の重要性、生態系などの自然環境保全について考える楽しい一日です。
 春には同じコースで自然観察会を行いました。そのときの花や木々がどんな実をつけ、何色に紅葉しているでしょうか。寒い冬を越して春に再び美しい花を咲かせる準備を始めているのでしょうか。
 初めて参加される方にも楽しめるように写真入の説明パネルを用意し、ミニハイキング講座、山岳写真講座なども行います。また、終着点の秋川河畔では秋の味覚「きのこ汁」を用意しています。小学生は無料ですのでご家族でもご参加ください。

主催  (公社)東京都山岳連盟 自然保護委員会
日時  2008年 11月16日(日) 雨天決行(コースを変更します)
集合  JR五日市線 武蔵増戸駅 駅前広場 午前9時
参加費 2,000円(保険料、資料代、キノコ汁など)
    都岳連加盟会員は1,500円
定員  50名(定員になり次第締め切ります)
コース 初心者向き
    武蔵増戸駅→ 弁天山→ 網代城山→ 都立小峰公園→ 秋川河畔(きのこ汁) 
解散  15時頃 秋川河畔解散(お帰りは武蔵五日市駅から )
持ち物 昼食、飴、菓子、食器、雨具、軽い防寒具、軍手など
    ハイキングスタイルでご参加ください。

申し込みと問い合わせ
   (公社)東京都山岳連盟 事務局へ電話か、
メール
をお願いいたします。
    参加者の決定:参加費の入金後に確定します。
    申し込みの締め切りは、11月7日(金)です。
    電話:03-3526-2550(月から金曜日の13時 – 17時)
    〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-10 パークサイド7ビル 2F※移転後

申し込み後に「秋の観察会」と書いて参加費をお振込みください。
    郵便振り替口座番号 00130-9-317605
    振込先名称    (社)東京都山岳連盟

写真:昨年の紅葉(出発まもなく貴志嶋神社前)

2008年度 (社)日本山岳協会・自然保護指導員 新規募集 [終了]

(社)日本山岳協会・自然保護指導員 2008年度新規募集のご案内

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 東京都山岳連盟では、(社)日本山岳協会の「自然保護指導員」規定に基づき自然保護指導員を認定しております。
 都岳連所属の自然保護指導員は御前山のカタクリパトロール・水質調査、フィールドレポートや一般の方を対象とした春・秋の自然観察会、高尾山清掃山行など幅広く活躍しております。
 本年も、下記の要項で自然保護指導員の募集と認定講習会を行います。指導員がおられない山岳会からのご推挙、山岳環境の保護に関心のある個人会員の方をはじめ、幅広く募集しております。

1.募集人数と資格
 資格:
  (1)東京都山岳連盟加盟団体の会員または都岳連個人会員である方。
  (2)入山日数が多く自然保護活動を自覚的に実行できる方。
  (3)所属山岳会(個人会員にあっては都岳連会長)の推薦がある方。
  (4)実地・机上講習会を受講できること。
 定員: 20人 (定員になり次第締め切りますので、早めにお申し込みください)

2.実地・机上講習会
 9月7日(日) 10:00~16:30 雨天決行
 場所:  檜原都民の森 研修室、および三頭山 
 研修内容:水質調査の実際と三頭山系の地理・地勢、活動と山の自然保護関連法規
 集合:  JR武蔵五日市駅 9:00

3.講習および認定費用等
 実地および机上の講習会費用として9,000円 (資料代、交通費、事務費、保険代等)です。
 なお、指導員認定時に腕章、認定証明書発行等用等(4,500円)が別途必要となります。
 認定証明書は、2009年4月1日から5年間有効です。

4.申込み方法
★定員になりましたが、2〜3人受け入れができますので9/1(月) まで受付を延長します。★
 受付期間:7/1(火)~8/22(金)  受付は、月曜~金曜の13時~17時
 事務局に電話(03-3526-2550)又は
メール
で予約の上、
 下記の口座に「自然保護指導員 新規認定講習会受講費」と明記し、講習会費9,000円をお振り込みください。
 なお、実地・机上講習への参加が日程上難しい方には別途講習会を準備しますので、お申し出下さい。
 郵便振替口座名義:社団法人東京都山岳連盟 00130-9-317605番

以上

巻機山景観保全ボランティアの参加者募集2008のご紹介

 巻機山景観保全ボランティアーズが主催する、2008年の巻機山の景観保全活動についてご紹介します。
 巻機山の美しい景観を取り戻すために、是非、ご参加ください。山中1泊で、山の上での活動で大変ですが、一度は体験されることをおすすめします。

1.夏季活動  8月23日(土)から8月26日(火)
  集合:巻機山避難小屋前
  23日:13時/24日:7:30、13:30/25日:7:30

2.秋季活動  9月19日(金)から9月21日(日)
  集合:同上
  19日:13時/20日:7:30、13:30/21日:7:30

3.資材荷上げボランティア募集 8月23日(土)
  集合:南魚沼市清水・桜坂駐車場(巻機山登山口)6時

●申し込み、詳細はこちら 巻機山景観保全ボランティアーズ
http://www.asahi-net.or.jp/~vj3m-yki/makihatatop/makihatatop.html

私は次の予定で参加します。
8/22金曜夜20:30ごろ、または土曜の早朝出発
8/23朝から登山開始、午後から景観保全活動。
  現地避難小屋泊(またはテント泊)。
8/24午前中、景観保全活動。午後下山。夕方帰京
また、秋季活動にも参加を予定しています。

投稿:岡田

雲取山調査山行 2008年夏編

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 恒例の雲取調査山行を梅雨前線停滞中の2008年7月5-6日に実施。今回も参加者が19名と多く、足の確保に難があったが、機動力を活かし雲取山荘迄歩程4時間の最短コースを選択。しかし、長雨で落石の危険性があるため天祖山分岐地点で3日前に車両通行止め、真夏を思わせる強い陽射しと高湿度の中、富田新道分岐迄は2時間超の林道歩きを強いられた。
 日原林道2ヶ所で水質調査を行う。CODは〈低濃度〉。天祖山下方のカジ小屋窪では、水温18度C測定時間5分20秒設定で標準色「2」を観測、少々酸素不足か。されど炎天下には美味い水分補給となった。
 大ダワ林道では蝉時雨の中、カエデ、ブナ、ナラ、カツラ、ホウ等の広葉樹林帯が日光を遮り、沢からの風が心地よい。
 今年御前山でも多く見られたシカ除けのネットフェンスがここでも各所に張り巡らせてあった。水源林保護のため、生態系保全のための施工であろうが根本的な問題解決が必要に思う。
 3年前に開花したスズタケが60年の更新期を向え総て枯死状態、見慣れた緑も灰色に包まれていた。3〜4年もすると新生スズタケで樹木の下は覆われるであろう。
 16時前に先発の小雲取谷遡上組3名に迎えられて雲取山荘に全員無事到着。
 翌日6日、お忙しい新井信太郎氏から、今年は5月初旬迄利用した冬期用牡蠣殻トイレも排泄物分解の必要上からバクテリア育成の温水確保や、ゴミの搬出でヘリコプター使用に関して山小屋管理の大変さ、大切さについて拝聴。
 下りは富田新道を採る、ここでも灰色一色スズタケ畑の中に所々マルバダケブキを見るが、ここは夏場でもまだフキの猛烈な勢力は及んではなさそうだ。上り下りで少し気になったのは羊蹄目の足跡は例年通り多数発見されたが、至る所で山道から踏外したような、滑ったような痕跡が多くあった、本来彼らのフィールドでありながら珍しく思えた、少々野性味を失いつつあるのだろうか。
 暑い林道歩きを経て13時ゲート着。無事に調査山行を終えた。鷹ノ巣山北斜面では数ヶ所の大規模な崩壊、林道の落石状況や多数の倒木状況から昨年9号台風の爪跡は未だ生々しく残っていた、改めて自然の脅威を痛感する山行であった。

参加委員:山根、西山、栗山、小林、小原、小高

投稿:山根、小高
写真:西山 小雲取谷、雲取山荘で新井氏と

日本山岳協会 自然保護常任委員研修会の報告 2008

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 日本山岳協会自然保護常任会が2008年6/28-29(土日)に尾瀬で実施されました。尾瀬保護財団と尾瀬林業の格別な協力をいただき、参加者30名が研修をしてきました。
 28日は1969年から行われている荒廃したあやめ平の湿原回復状況を見てまわりました。回復にはミタケスゲという、種の収穫が多く、蒔いた後に成長しても他の植物の生育を邪魔しない植物が選ばれていました。現在ではほぼ緑の回復は進んだものの、引き続き作業を行っていく必要性を感じました。
 29日は熱帯低気圧のため雨となりましたが、熊と人間の共生のために作られた高柱木道を「熊は通るのかしら」と覗いて見ました。また、昨日開通した東電橋を渡りました。研修会では環境保全の思いを新たにして終了しました。

投稿:猪狩
写真:ギンリョウソウ、ガクウラジロヨウラク

参考:
→ ミタケスゲ from oNLINE植物アルバム

関連リンク

山の関連団体や情報

→ 公益社団法人 東京都山岳連盟 :自然保護委員会はこのなかのひとつの組織です。
→ 公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会 :東京都山岳連盟はこのなかのひとつの組織です
→ 都岳連 自然保護指導員 フィールドレポート :都岳連所属の日山協 自然保護指導員の報告の掲示です。

ビジターセンターなど

→ 高尾ビジターセンター :高尾山の自然やハイキングコース、「山道ものがたり」に人による高尾山の登山道の崩壊の説明がある。
→ 奥多摩ビジターセンター :御前山など奥多摩での登山、自然などの情報提供・利用指導
→ 山のふるさと村ビジターセンター
→ 御岳ビジターセンター
→ 小峰ビジターセンター :秋川丘陵小峰公園の情報
→ 八丈ビジタセンター

→ 東京都レンジャーニュース :東京都レンジャーの活動や自然の情報など

植物園など

→ 箱根湿生花園 :植物園の花を紹介した花だより、四季の花がきれいでわかりやすい。

花や木の名前を調べる

→ 植物園へようこそ! :群馬大学社会情報学部 青木繁伸氏
→ 植物形態学 :福岡教育大学 理科教育講座 福原 達人氏
→ 木のぬくもり・森のぬくもり :樹げむ舎

関連団体など

→ 環境省
→ 環境省 自然環境・自然公園 :自然環境局、自然環境の保全とふれあいの推進
→ 東京都環境局 :東京都の自然環境保全やボランティアの募集など
→ 東京都公園協会 :東京都の各公園の情報
→ 一般財団法人 自然公園財団 :公園施設の維持管理、自然解説や情報提供事業
→ 日本自然保護協会(NACS-J)
→ NPO 尾瀬自然保護ネットワーク:25年間活動した「尾瀬の自然を守る会」からの尾瀬自然保護指導員の連絡組織
→ 尾瀬自然保護財団
→ 尾瀬自然保護財団の尾瀬なび :日々の尾瀬便りブログ(4月から10月)

高尾山 クリーンハイク 2008/6/8

高尾山クリーンハイクとセッコク観賞 2008年6月8日(日) 曇り(予報は午前中に小雨)

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 今日のセッコクを観賞しながらの高尾山の清掃山行は、6月の環境月間に合わせた自然保護の啓もう活動である。
 京王高尾山口駅前に8時ごろからスタッフが集まり、電車が着くたびに参加者が増えてくる。9時から開会式を行う。開催の挨拶、自然保護委員会の大島委員長の挨拶があり、今日の予定、班分けについて説明をする。
 参加者63名、スタッフ16名になった。参加人数が多いので、スタッフ2~3名、参加者10名前後、協力してくれた自然保護指導員も入り、5班の編成にする。
 9時25分に順次出発する。参道へ入るとシャガの花が咲いている。シャガは土止めに効果があり高尾山の参道、登山道の斜面に多く見られる。
 6号路(びわ滝コース)を行き、びわ滝分岐から15分位で杉の大木の上方にセッコクの花が咲いている。その先にも、薬王院あたりにも今年はセッコクが多く咲いている。黄色の花のジャケツイバラも見える。
 橋の脇の広場でカメラ講座を行う。水量の多い沢道から緩やかな道、急登の階段を登り、尾根の広場に出る。休憩しながら熱中症対策とハイキング講座を行う。薬王院からの道と合わさると賑やかになり、頂上は人で賑やかで、誰かかが山の銀座だと言っていた。
 高尾山頂上では気象講座、自然保護委員会が行っている水質調査についての説明もする。そして今日の清掃山行に参加していただいたことに対する感謝状を差し上げて、委員長挨拶があり解散する。

参加スタッフ:  大島、藤井、徳永、小島、溝口、新村、小原、西山、山根、渡邊、小林、猪狩、野口、長谷川、CL 渋谷、 SL 森谷

投稿:森谷
写真:例年より多いセッコクの花、高尾山口駅での挨拶、高尾山頂上での感謝状、ヤマボウシ

春の自然観察会 2008/5/18

網代弁天山から城山ハイキングと自然観察
2008年 5月18(日)曇り

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 武蔵増戸駅前の広場で9時頃までに受付を済ませ、参加者はスタッフと共に観察会のスタート地点の網代公民館へ向かう。
 秋川に架かる網代大橋の下のフジの花が満開で美しい。網代公民館前広場で準備体操をして、主催者の自然保護委員会の徳永委員長の挨拶、今日の予定、観察の進行についてなどを説明する。同行スタッフ16名(内、講師2名)、参加者28名。スタッフが2~3名、参加者4名か5名で班を構成する。
 10時出発。田んぼには稲が植えられている。蛙の鳴き声が賑やかだ。ここのハルジオンから始まる。似ているヒメジョンとの違い、ノアザミとタムラソウとの違い。今日の観察の主なる植物を選び、廣田講師が用意した花や葉の写真、拡大写真のパネルを見ながら解説し、観察していく。
 弁天山の洞窟がどのようにして出来たのかの興味深い解説が藤井講師よりある。弁天山の頂上にネジキという樹木がある。木の肌が幹も枝もネジれている。ウツギ、ハナイカダと見て進む。
 城山の頂上で昼食後に、五日市盆地が太古の昔は湖であった話、熱中症の話があった。下山時にジャケツイバラの幹のトゲを触り幹の先に咲く黄色の花を見る。
 小峰公園で奥多摩の形成、河が作り出す段丘などの解説がある。山菜汁が待ちどうしい時間のようなので会場へ直行する。会場の「やまぼうし」へ到着して早速、料理班特製の山菜の天ぷら、山菜汁を味わう。盛りだくさんの内容であった観察会は15時に解散して無事に終了した。

講師:藤井 謙昌(地質学、歴史)、廣田 博(植物)
スタッフ: CL 森谷、SL 渋谷、会計 小原
徳永、大島、小島、渡邊、野本、新村、猪狩、山根、西山、野口、長谷川

投稿:森谷
写真:セリバヒエンソウ、ヘビイチゴ、城山頂上、山菜天ぷら

高尾山クリーンキャンペーンに関する考察

 地球温暖化問題を主なテーマとして、本年7月7日「2008北海道洞爺湖サミット」が開催された。約1000年から2000年前の中世期、地球の気温は、温暖期や小氷期等の変動を繰り返しながら比較的安定していたが、西暦1750年頃から、人間による化石燃料の使用によって平均気温が上昇し始めた。化石燃料に含まれる二酸化炭素やメタン等の温室効果ガスの放出が急速な地球温暖化の大きな要因とされている。このままでは、西暦2100年までの間に、平均気温が最大6.4℃上昇すると言われている。これは過去1万年の気温再現結果に照らして上昇の速度が明らかに異常である。今後20~30年の間に「京都議定書」「洞爺湖サミット」「09デンマーク会議」等でドラスティックな温暖化抑止対策を講じておかなければ、地球は取り返しのつかない事態に陥るだろう。

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 さて、2007年6月23日、中央高速と関越道間の圏央道が開通した。高尾山を隧道でぶち抜き、圏央道高尾トンネルの掘削工事が2009年度貫通を目指し現在着々と進行している。圏央道は、神奈川県横須賀市から高尾山を通り、埼玉県、茨城県を抜け、千葉県木更津市を結ぶ首都圏中央連絡自動車道路である。高尾山は東京都心から50キロ、電車で1時間足らずで、家族連れや若者達、中高年とあらゆる階層の人々に愛され、年間250万人が訪れるという。東京を訪れる外国人観光客の人気は、浅草、秋葉原に次いで高尾山だそうだ。最近、フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」が、高尾山を三ツ星にランクしたほどだ。
 近郊に緑豊かな憩いの場を持つことが近代的な大都市の条件なら、高尾山はその役割を十分に果している。南斜面が温暖帯、北斜面は冷温帯であるため、約1300種の植物、5500種の昆虫類、130種の野鳥、30種の哺乳動物が棲息しているという。貴重な自然の宝庫であり、見事な食物連鎖のシステムが構築されている。トンネルによって水脈が分断され、生命の根源である水がむやみに放出され、滝が涸れ、高尾山の豊かな自然に多大な悪影響を及ぼすことが懸念される。
 宇宙の出現は137億年前、地球が46億年前、生命の誕生が40億年前、そして人類が現れたのが600万年前とは、元自然保護委員長・藤井謙昌が唱えるところである。想像も出来ない驚くべき時間をかけて形成された地球の歴史を考えるならば、我々人間は、地球に対してもっと謙虚にならなければならないだろう。産業革命後僅か260年で、人類は鉄とコンクリートにより自然界の循環サイクルを断ち切り、生態系破壊を始めた。今さら260年前の社会に戻ることは不可能であるが、これからは便利さばかり求めることにブレーキをかけて行かねばならない。
 1972年6月5日、スウェーデンの首都ストックホルムで国連人間環境会議が開催された。以来、6月5日が「世界環境デー」となった。我々は毎年6月初旬の日曜日、新聞等で参加者を募集して高尾山清掃キャンペーンを実施している。同年尾瀬で始まったゴミ箱撤去運動以来、高尾山にもゴミは殆ど見当たらなくなった。20年余も続けてきたことが世間の風潮と相まって漸く効果が出てきたものと認識している。継続は力なりだ。
 時代は今、将に環境の世紀、自然保護という傲慢な考えを捨て、人類は動植物と平等に地球の恩恵を享受するという思考へと展開して行かなければならないと考えている。

 自然保護指導員 徳永 邦光
 (都岳連通信第4号 巻頭言より)

空木(ウツギ)がたくさん咲いてます!

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5月18日(日)、武蔵増戸駅を出発し、弁天山〜網代城山〜小峰公園を巡る春の観察会が行われました。観察会でたくさん見かけた白い花々を紹介します。

この時期、低山や雑木林でよく見られる小さな白い花々があれば「ウツギ」ではないでしょうか。「ウツギ」は枝の中が空洞になっているため「空木」と言うそうです(全てではありませんが)。「ウツギ」と名のつく木々は、ユキノシタ科、バラ科、スイカズラ科、アジサイ科....などなど、種類が豊富でまぎらわしく悩ましいのですが、よく見るといろいろな特長があります。
今回の観察会だけでも「ウツギ」「マルバウツギ」「ツクバネウツギ」「コゴメウツギ」などを観ることができました。
その中でもその名の通り!というものが「衝羽根(ツクバネ)空木」、
花の下についている萼片(ガクヘン)が羽根衝きの羽根に似ていることからこの名がついたとのこと。
また、「小米(コゴメ)空木」はお米の粒のような蕾から小さくてかわいらしい花をたくさんつけます。
珍しい花ではありませんが、名前を漢字にして知るとなるほど!と感心します。
小さな発見をしながらの山歩きも楽しいものです。

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投稿:は

写真:マルバウツギ、ツクバネウツギ、コゴメウツギ

御前山、カタクリなどの花が5月連休も楽しめます

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東京に近く自然豊かな奥多摩御前山のカタクリなどを見てきました。 2008/4/29 晴れ、山頂では薄曇り。
体験の森管理事務所で周辺案内図(御前山と惣岳山までのルートがわかる)をいただいて、一般車両通行止めのところの空き地に駐車して出発。これに並行する栃寄沢の登山道は一部崩壊のため閉鎖中。通って沢に落ちたという人に会った。ヤマブキ、ウワミズザクラが咲く。
体験の森入り口のあずまやからも車道上部の崩壊のため通行止めで、しばらく並行して付けられた山道を行く。この付近では、キケマン、スミレ4種類くらい、マムシグサ?、ハシリドコロ、ヨゴレネコノメ、エンゴサクが咲いている。
涸れた沢を渡るあたりから、ニリンソウ、アズマイチゲ、エンレイソウ、避難小屋に近づいてくると落葉松林でスミレ類、カタクリが咲いてくるが、数はそれほど多くない。
避難小屋からの登山道が御前山からの稜線とぶつかる分岐点付近から、稜線を大岳方面に下って保護ロープを設置してある範囲はカタクリの花が満開のようである。カタクリは登山道際まで有り、道が柔らかく歩きづらいことから、都岳連自然保護委員会が設置した保護ロープや枯れ枝での通路制限は有効に機能しているようである。
分岐から御前山1405mまでは、咲く寸前のつぼみが多く、5月連休の1週間あたりで咲くものと思われる。御前山から惣岳山まではあちこちで花が開いている状態である。スミレ類も咲いている。惣岳山の月夜見側の直下は、カタクリの花が少ない。カタクリは唐松などの落葉樹林に多かったが、この稜線斜面は防火帯なのか帯状に木が無い。
御前山と惣岳山の間の分岐から下山して、体験の森を抜けて駐車場に向かう車道に出る。このルートは、分岐後まもなくカタクリの花はほとんど無くなる。しかし、一枚葉のカタクリは少ないながら車道の近くなるまで続いている。体験の森ヒノキの広場付近の広葉樹の明るい場所では少数の開花があり、一部は花後の実を大きくしていた。主に広葉樹の樹林帯ではエンレイソウ、ヒトリシズカ、ニリンソウ、ヨゴレネコノメ、フサザクラが開花してきれいであった。体験の森のこのルートは針葉樹林が長く、あまりおもしろいとは思えない。ただ、針葉樹を抜けたあたりの標高1100mあたりにはブナ林があり、ちょっと驚きであり、人工林と明るい自然林の違いが顕著に観察できた。分岐直下の落葉樹の広場では水が流れている。ここには、タチネコノメソウ?が少しあった。
13時頃の御前山頂上の人数は、70名。20名くらいのツアー団体、10名くらいの高校生ワンゲル部など。避難小屋では7名。出勤に挟まれた休みのためか、道路も空いていた。
朝、奥多摩ビジターセンターからは、レンジャー15人くらいが出発しているようであった。

投稿:岡田、野口

2008年度 カタクリパトロール 終了しました

「都岳連関係者、日山協・自然保護指導員」等皆様のご協力に御礼申し上げます。

 昨日4月26日、保護ロープを残すのみで器材も撤収し、一応カタクリパトロールを切り上げました。
 今シーズンは、週末があまり天気に恵まれず、例年より入山者は少なかったようです。
 保護ロープを設置した土曜日こそ何とか雨に遭わずに済みましたが、翌日曜はパトロールが山頂に着く頃に雨となってトイレも設置できず、寒さに耐えきれず避難小屋に避難した次第です。また一昨日も寒くて、カタクリも終日うつむいていました。昨日も時より薄日が差す程度、カタクリにもパトロール参加者にも寒い一日でした。
 カタクリの花は本当に少ないです。ただし例年より花は大きく、春の陽射しの中で反り返ったら絵になるような株を沢山見かけました。
 20日と26日、湯久保尾根を降りました。カタクリは例年並み、ただ惣岳山から御前山ルートとは違う環境に咲いていますので、印象はかなり異なります。
 寒かったせいで、29日以降ゴールデンウィークもまだまだ見頃かと思います。

 投稿:オダカ

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カタクリパトロールのマニュアル 2008/4版

御前山のカタクリパトロールのマニュアル
                          都岳連自然保護委員会 調査部 2008/4作成

1.目的

(1)カカクリ保護のため、頂上付近およびコースにおける踏み付け、盗掘防止等のパトロール、および安全登山の指導
(2)トイレ行為に対し水質の汚染を訴え、携帯トイレをPR、ローインパクトな山登りの啓もう活動

2.具体的な役割

(1)月夜見登山口の仮設トイレの使用状況のチュック、および駐車台数のチェック
(2)コース中のカタクリ保護のための指導(保護柵の設置、撤収、踏付け・盗掘行為に対する注意等)
(3)コース中のゴミの回収
(4)頂上に都岳連幟(ミドリ)を掲げ、下山時元の場所に撤収する
(5)頂上でトイレ用テントの設置(同封の設置要領参照)し、下山時元の場所へ撤収する
(6)携帯トイレのPRと配布(協力金としてパットのみ100円、外袋付き200円を頂く)
(7)避難小屋トイレの使用状況把握とトイレットペーパー補充および使用済みペーパーの回収(ペーパー不足の際は奥多摩ビジターセンターから補充を受ける)
(8)頂上でアンケートを配布しその場で回収、協力者に「水に溶けるティッシュ」を差し上げる
(9)リーダーは回収したアンケートを集計し、委員会に提出する
(10)チラシを配布し、山頂通過の登山者数を把握する
(11)パトロール報告書(リーダー宛に事前に送付)に必要事項を記入の上提出
(12)下山時、未使用の携帯トイレ・ティッシュ・ゴミ袋等の残数をチュックし、リーダーは同封の引き継ぎ用紙に記入、天野邸自然保護用ロッカーに掲示し、次の当番に引き継ぐ
 *登山者に聞かれたら説明できるよう、カタクリ以外の動植物についても予め学習しておく

3.パトロールに必要な器材と携行品

(1)頂上に荷揚げしてあるもの
  トイレ用テント一式、トイレ便座、携帯トイレ、持ち帰り用袋、ゴミ袋、都岳連幟
(2)当事者が持参するもの
  指導員腕章、トイレテントの設置マニュアル・報告書・引き継ぎ用紙(リーダー宛同封)、分担表、マニュアル、カタクリパトロール注意事項
(3)当日天野邸から持参するもの
  当日分のアンケート用紙、チラシ、携帯トイレ・ゴミ袋・ティッシュ、のほか引き継ぎ用紙に記入されたもの

4.基本的なパトロールコース

<入山>五日市駅=天野邸=月夜見第2駐車場-小河内峠-惣岳山-御前山
<下山>往路を戻る

5.パトロールの望ましいタイムスケジュール

五日市駅      週末8:00 平日9:00
月夜見登山口      9:00   10:00
御前山         11:30頃から15:00頃

以上