御前山カタクリパトロール始まりました。2021年度[終了]

2021年4月10日より、都岳連自然保護委員会の恒例行事カタクリパトロールが始まりました。
今年は春の訪れが早いとの予報もあって、例年より1週間早めての実施としました。事実、桜の開花をはじめ数多くの事象で記録の塗り替えがありましたが、前日9日には奥多摩の山々には降雪もある程の寒の戻りもあって、御前山のカタクリに関しては、開花は例年並みとの印象です。
コロナウイルス禍の中で再開した今年のパトロールは、カタクリの保護を訴える看板の設置と定点での花株調査に絞りました。例年のような自然保護指導員の皆様の協力を得た多くの人員を要する保護柵の設置やカタクリの分布調査は控えて感染拡大防止に留意しました。
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初日の10日、先行して杭やロープ等の資材チェックやメンテナンスをしてくれたメンバーと合流し、総勢15名で御前山避難小屋より①大ダワ方面、②湯久保尾根、③御前山山頂〜惣岳山山頂〜体験の森内カラマツの広場、活動の広場に至る登山道およびアセビの広場からヒノキの広場に至る山道、③大ブナ尾根〜サス沢山付近、④惣岳山〜ソーヤの丸デッコおよび巻道〜小河内峠〜奥多摩湖をパトロールし、カタクリ保護を訴える看板を取り付けるとともに定点6カ所で花株調査を行いました。
3月27日および4月3日に入山した折には見られなかった活動の広場付近、ソーヤの丸デッコ巻道、大ブナ尾根等でカタクリの花がみられましたが、残念ながらその多くは防鹿柵内でした。ただし、陽当たりが良いにも拘わらず木々の芽吹きや下草もない柵(ソーヤの丸デッコ巻道合流付近、柵ナンバー⑧など)もあり、柵の設置効果についての検証が必要と思います。
勿論、柵のない箇所にも見事に開花した株、大きな片葉を持つ株も見られ、特に体験の森内カラマツの広場と湧水の広場を結ぶ登山道や大ブナ尾根には例年より多くの大きな片葉があり、今後の推移が楽しみです。
現時点では5月9日(日)に看板等の撤収作業を予定しています。御前山のカタクリについてお気づきの点などは自然保護委員会にお寄せ下さい。
写真:カタクリ保護の看板、定点株調査、開花株

金剛の滝への山歩きと秋の自然観察ハイキングの写真による速報です。

2017年10月15日(日)2日前から秋雨が続き、小さな秋を楽しむ自然観察会は傘を差して行われました。
この雨のため沢の水かさが増してしまい、また道の状態が悪くなっていたため、金剛の滝へのルートを外して実施しました。沢を徒渉できるように敷石などを事前に整備していましたが、滝をご案内できず残念でした。
武蔵五日市駅に午前9時に集合し、20名の参加者を迎えて3班での観察会となりました。
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小峰公園では、秋の花や実を観察し、廣徳寺では静かな古刹の雰囲気とタラヨウの木などを観ました。また、休憩所やルートの途中で、五日市地域の地形や地質の話、昆虫や食物連鎖などの話、降水確率などの気象の話を聞きました。
五日市郷土館にて、15時頃に解散となりました。
今回は状況の良くない中のハイキングとなり、お疲れ様でした。
咲いていたのは、ツリフネソウ、ミゾソバ、イヌタデ、アキノキリンソウ、キバナアキギリ、ヤブミョウガ、コウヤボウキ、ノハラアザミ、アズマヤマアザミ、シロヨメナなど
実のついていたものは、ヤブラン、シオデ、クサギ、ゴンズイ、ガマズミ、ムラサキシキブ、ヤブムラサキ、テイカカズラ、カラスウリ、ノブドウなど
ツチグリが開いていました。
写真: 小峰公園、廣徳寺のイチョウ、ゴンズイの実、ミゾソバ

高尾山のクリーンキャンペーン(2017年)の速報

世界環境月間の6月、2017年6月4日(日)に新緑の高尾山で行われたクリーンキャンペーンの写真による速報です。
初夏の爽やかな日に、50名の一般参加者と都岳連会員13名の63名の参加者、およびスタッフにより、自然に優しい山歩きをアピールしながら清掃山行を行ないました。
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高尾山山頂付近の終点では、気象の話、携帯トイレやストックのキャップ使用などの話があり、感謝状をお渡しして解散となりました。
参加者の皆さま、自然保護指導員の皆さま、ご協力ありがとうございました。
ゴミ拾いをしながら観察すると、サイハイランやイチヤクソウ、セッコク、テイカカズラやウリノキなどの花が咲いていていました。ウグイス、ホトトギスの鳴き声も聞かれました。
閉会式の後に、希望者により奥高尾まで自然観察とクリーンキャンペーンを行いました。 城山からは、日影沢林道を下りるコースと相模湖に下りるコースに分かれて行ないました。
途中の桜の木に付いたテイカカズラが花をびっしりと咲かせ、ヤマボウシも雪が積もったように花を咲かせていて皆さんが感激していました。
また、この日は全国一斉の環境調査が行われ、自然保護委員会では日影沢と琵琶滝、御前山で水質調査を行ないました。
ゴミの無い、花と緑の美しい山。自然環境保全活動の裾野を一緒に広げていきましょう。
写真:出発前ルートの説明、高尾山山頂付近での閉会式、ヤマボウシの花、奥高尾でのクリーンハイク

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奥多摩 七代の滝から御岳山へのハイキングと自然観察会の写真による速報です。

奥多摩 七代の滝から御岳山へのハイキングと自然観察会の写真による速報です。

2017年5月14日(日曜)  前日の雨の影響はほとんど無く、曇りの天気の柔らかな光と新緑の中で自然観察会は行われました。
観察会参加者用の臨時バスで武蔵五日市駅を9:35に出発して、観察会の説明と班分けの後、上養沢10:30から自然観察会が始まりました。 天気を心配してか若干の欠席者がありましたが、14人の参加者が2班に分かれてきめ細かな観察会が行われました。

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山野草などの花の変化は早く、10日前の事前調査で観察した主な植物の一部は他の種類に入れ替わっていました。 フジの花はやっと咲き始め、フタリシズカやエンレイソウ、ミズキはつぼみで、今年のこのルートの花は少し遅いようです。
七代の滝の岩にはイワタバコの緑の葉が付いています。見に来た人の中には濡れた岩に足を取られる方も見られました。
始めて山歩きをした方も参加されましたが、全員予定通りに初夏の緑と滝、御岳神社などを楽しんで、15時頃にケーブルカー御岳山駅で解散しました。

今回のルートで観察した主な植物
木本
ヤマブキ、ハナイカダ、ウツギ、タニウツギ、ミツバウツギ、コゴメウツギ、ヤマツツジ、フジ、バライチゴ などの花
草本
ネコノメソウ、ムラサキケマン、ヒメレンゲ、セリバヒエンソウ、カキドオシ、マムシグサ、ホウチャクソウ、ニリンソウ、カラスビシャク などの花; フタリシズカ、エンレイソウ などは蕾み; ウバユリ、イワタバコ、ヤブレガサ などの葉が観察できました。

写真:七代(ななよ)の滝、御岳神社からの日の出山、マムシグサ、ヒメレンゲ

カタクリパトロール 2017年度の実施について[終了]

p20080429kata1.jpgのサムネール画像公益社団法人 東京都山岳連盟 自然保護委員会ではカタクリの群生で知られる奥多摩 御前山でカタクリの保護のために保護柵を設置するなどのパトロールを20年にわたって実施してきました。併せて簡易トイレブースを設置、携帯トイレを紹介して山のトイレマナーの啓もう活動も行ってきました。
これらの活動が奏効し、カタクリの盗掘や踏み付けは減り、携帯トイレの認知度も上がりました。しかしながら、目下の課題はシカによるカタクリ食害の対策となりました。
このような状況の下、今年度よりカタクリパトロールの活動内容を見直すことにしました。自然保護指導員の皆様の協力を頂きながら、カタクリの分布状態を調査し、データを集めて分布地図を作成します。
狩猟などによるシカ生息数の調整効果を待つ間、防鹿柵の設置は山野草を守る手段としては有効な策といえます。今後、防鹿柵をどこに設置すべきかを行政に働きかけるためにも、カタクリの群落の分布推移の把握は必要であると考えます。
つきましては、カタクリパトロールの実施要領により分布調査へのご協力をお願いいたします。

期間: 4月1日(土)~5月31日(水)
    この期間中に、参加される自然保護指導員の方は自由に調査活動を実施願います。
    また、4月15日(土)には、JR奥多摩駅に集合して集中調査を行います。
場所: 御前山に至る登山コース
調査概要:
① 登山コース上から観察できる範囲で、カタクリの群落を分布調査ワークシートに記入します。
② 証跡として、その場所の写真を撮ります。
③ 調査結果をメール、または郵送で都岳連自然保護委員会までお送りください。

資料のダウンロード:
次のリンクから、カタクリパトロールの実施要領と分布調査ワークシートのPDFファイルをダウンロードしてください。
 →カタクリパトロールの実施要領 f20170331katakurimanual.pdf
 →分布調査ワークシートと記入サンプルf20170331katakuriws.pdf

参加申し込み:
p201810qrmailshizen.png ◎4月15日の集中調査については、4月10日迄に次の方法でお申し込みください。
メール: 都岳連事務局 宛へ
◎4月15日以外の調査期間については、自然保護委員会へのエントリーは不要です。自然保護指導員の皆様ご自身で、自由に日時とコースを選び、安全に十分留意された上で調査頂きますようよろしくお願いいたします。
なお、参加される方はご自分で山岳保険などへご加入されることを推奨いたします。

地球の歴史を訪ねる〜おもしろ地球観察会の写真による速報です。

2017年3月5日(日) 晴れて暖かな早春の武蔵五日市駅付近で、おもしろ地球観察会が行われました。今年も応募者が多く、定員まで受け付けて30人の参加者により行われました。
集合場所を公園に代えて、資料の配付と移動の班分けを行い、ご挨拶と準備体操をして観察会が始まりました。下見の後で観察ルートを多少変更し、およそ次のようなルートで回りました。
武蔵五日市駅近くで河岸段丘の観察と発見された化石の説明 → 秋川での観察(五日市町層群・伊奈石切り出し跡・ポットホール・地層の向きを示すソールマークの観察) → 岩走神社(WC) → 横沢入(WC・昼食) → 伊奈石石切場跡 → 三内神社の伊奈石の石段 → 駅近くで15:30頃に解散。
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講師の「あきりゅうジオの会」のメンバーにより、五日市付近の河岸段丘や断層、日本がどのように出来て来ているかなどについて写真や図を表示して説明いただきました。
特に現物を観察した秋川での、水平だった海底が押されて縦になった地層や海底に有ったときの上下を示すソールマーク、泥岩を崩して見つけた貝などの化石、秋川の流れが削った岩やポットホールなどにより地球の歴史が身近に感じられました。
また、狭い範囲の砂岩の地層から切り出した伊奈石のたて堀の跡、均質な砂粒の伊奈石、加工した石臼や庚申塔を観て人の暮らしとの関わりも分かりました。里山保全地域の横沢入ではトウキョウサンショウウオなどの話もあり、カヤネズミの巣は子供さんが帰りに見つけていました。
地質関連の観察会は川に下りたり小山に登ったりで少々パワーを使いますが、普段訪れないところや気に留めていない物の遠い昔からの物語に触れて満足されていました。
また、春を感じる植物の花が観察会の中で見られました。
梅、椿、桜、ミツマタ、ネコヤナギ、ウグイスカグラ、オオイヌフグリ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ。
写真:秋川で地層や化石の観察、流れが削った岩やポットホール、石切場跡近くの横沢入で伊奈石の解説、三内神社の伊奈石の石段

奥多摩 御前山における環境調査報告書2016

奥多摩 御前山における環境調査報告書2016を2016年9月に出版しました。

(公社)東京都山岳連盟自然保護委員会は、主として秩父多摩甲斐国立公園を中心に山岳環境保全活動や調査活動を行っている。 特に私たちがフィールドとしている御前山は、大岳山・三頭山とともに奥多摩三山に数えられ、東京都の水道水源林としても保護されている山域であり、その保全は重要である。
活動の一つに毎年3月から12月までの結氷期を除き、奥多摩御前山4地点で行っている沢水の定点水質調査がある。20年近くにわたり継続してきた調査から、どんなことが読み取れるのか、検証を行い取りまとめた。

また、奥多摩御前山でのカタクリ保護とトイレマナー啓もうのため、毎年4月後半、延べ100名以上の日山協自然保護指導員の協力を得て行っているカタクリパトロールは、奥多摩で数少ないカタクリの群生地を踏みつけなどから守り、また携帯トイレの普及を目的としている。このとき併せて行っているアンケートから、登山者の山岳トイレへの関心の高まりが見て取れる。

さらには、御前山のカタクリをシカが本当に食べているのかを検証したいとの思いから設置したセンサーカメラは、その現場を捉え、またヌタ場に集まる沢山の野生鳥獣を写した。

こうしたデータをもとに山のトイレ問題はどうあるべきか、近年増えているシカの食害から自然をどう守っていくか等々、受益者として私たち登山者が行政や山小屋関係者に働きかける活動の礎としたいと考えている。

奥多摩御前山における 環境調査報告書2016 PDF版は、こちらから表示・ダウンロードできます。

p20161121reporthyoshi.png→ダウンロード ファイル f20161120kankyorepo2016.pdf

この資料は、公益社団法人 東京都山岳連盟 自然保護委員会が著作権を所有します。引用する場合は出典を明らかにしてください。また、この資料を再配布する場合は、当委員会に事前にご連絡ください。

なお、2002年度に調査出版した報告書は、こちらです。
  →多摩川の源流に位置する奥多摩御前山における自然水とし尿の調査研究2002年


奥多摩御前山における 環境調査報告書2016 目次

はじめに
1.本調査活動の目的
1.1 本調査活動を開始した理由
1.2 本調査初期(1999年~2001年)の目的
1.3 本調査継続(2002年~2015年)の目的
2.本調査活動の総括
2.1 本調査期間における御前山を取り巻く環境の変化について
2.2 水質状況
2.3 調査活動の成果
3.今後に向けた課題
3.1 御前山の基礎情報の把握
3.2 簡易トイレブース設置の必要性
3.3 シカ対策

[参考資料]
A 水質調査結果
B トイレ意識アンケート結果(カタクリパトロール時の調査アンケートより)
C 御前山センサーカメラの撮影結果
おわりに

爽秋の青梅丘陵 ハイキングと自然観察会の写真による速報です。

爽秋の青梅丘陵 ハイキングと自然観察会の写真による速報です。
2016年10月16日(日)秋晴れの青梅丘陵をハイキングしながら小さな秋を楽しむ自然観察会が行われました。
奥多摩の入り口、青梅丘陵は自然観察会として初めてのコースです。十分な下見をして植物の説明パネルを観察ポイントに設置して始まりました。
JR青梅線の石神前駅に午前9時10分に集合し、13人の参加者を迎えて3班での密着した観察会となりました。
青梅の里山では秋の花が迎えてくれました。春から夏に咲いていた草の実、木の実は赤やピンク、紺や黒と目を楽しませてくれました。
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石神前駅の踏切を過ぎてすぐにからすぐにツリフネソウなどが見つかりました。標高454メートルの三方山を回って、展望の良いところで昼食になり、奥多摩の地層についての解説がありました。また、ハイキングコースを歩いて矢倉台休憩所では森の生態系の説明がありました。
また、携帯トイレについての説明に対して購入された方もあり、自然保護についても理解していただきました。
石神前駅から休憩を含めて約6時間の観察会は15:30頃に青梅駅近くの梅岩時で閉会となりました。
咲いていたのは、ツリフネソウ、イヌタデ、ハナタデ、アキノキリンソウ、センブリ、ヤクシソウ、コシオガマ、カンアオイ、ガンクビソウ、ヤブミョウガ、セキヤノアキノチョウジ、コウヤボウキ、カシワバハグマ、キッコウハグマ、オケラ、ツルニンジンなど
実のついていたものは、ヤブラン、シオデ、ヤブコウジ、マンリョウ、ミヤマシキミ、クサギ、オトコヨウゾメ、ゴンズイ、ガマズミ、コバノガマズミ、イイギリなど
また、変わったところでは、コンテリクラマゴケが紺色に輝き、ツチグリが開いていました。
写真: 青梅駅付近の尾根道、石神前駅付近での観察、コシオガマ、アキノキリンソウ

高尾山のクリーンキャンペーン(2016年)の速報

世界環境デーの2016年6月5日(日)に新緑の高尾山で行われたクリーンキャンペーンの写真による速報です。
朝まで小雨が残る天気のため、団体の参加予定者が参加中止となり、一般の参加者も20名ほどで例年と比べて少ない人数となりました。しかし、9時の開会式ごろから徐々に雨が上がって、高尾山の新緑を楽しみながらハイキングができました。高尾山口駅から高尾山山頂までゴミ拾いをしながら、他の人たちにも自然環境保護を訴えて清掃登山をしました。
高尾山山頂付近の終点では、雷などの気象の話があり、感謝状をお渡しして解散となりました。

参加者の皆さま、自然保護指導員の皆さま、ご協力ありがとうございました。
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サイハイランやユキノシタ、セッコク、テイカカズラやウリノキなどの花が咲いていていました。シャガ、ウツギなどの花は今年も終わっていました。
ゴミの無い、花と緑の美しい山。自然環境保全活動の裾野を一緒に広げていきましょう。
写真:高尾山口駅前での開会式、高尾山山頂付近での閉会式、テイカカズラの花、スイカズラの花

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緑風かおる里山と秘滝 自然観察会とハイキングの写真による速報です。

緑風かおる里山と秘滝、自然観察会とハイキングの写真による速報です。
2016年 5月15日(日)新緑が美しい五日市丘陵で、歩くのには丁度良い薄曇りのハイキング日和に観察会は行われました。前日を含めた2回の事前調査で観察する主な植物の確認と表示を行い、23人の参加者を迎えて5班に分かれてのきめ細かな観察が行われました。
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楠の葉を使った植物が作るフィトンチッドの目的や人間への効果の話、五日市の河岸段丘や断層のある地形と地層の話、江戸時代の暮らしなどについての話がありました。
コースの終了点の秋川河畔では、自然保護委員会スタッフ特製の山菜汁と山菜天ぷらをいただきました。おいしそうにビールを飲む姿もありました。
小峰公園では小峰ビジターセンターの方からコアジサイのガクと臭いの話や蛇のヤマカガシを捕まえて見せていただきました。
今年は花が1週間くらい前倒しで咲いているそうです。今回の観察会では、およそ次のような植物(花)が見られました。(小峰公園内を含む)
木本
コゴメウツギ、マルバウツギ、ハナイカダ、コアジサイ、ヤブデマリ、ヤマボウシ、ミズキ、ジャケツイバラ
草本
エビネ、フタリシズカ、クリンソウ、ヤマブキソウ、ツレサギソウ、キンラン、ギンラン、ギンリョウソウ、カンアオイ、ホウチャクソウ、タツナミソウ、ハンショウヅル
写真:尾根道での観察とハナイカダ、金剛の滝付近、コアジサイ、山菜汁と味わった天ぷら

2016年カタクリパトロール始まる

2016年4月17日より、都岳連自然保護委員会の恒例行事カタクリパトロールが予定どおり始まりました。
今年は早春に暖かい日が続き、カタクリの開花も早かったのですが、その後寒の戻りもあって足踏み状態が続いたためか、保護柵設置をした先週末にもそこかしこに可憐な「春の妖精」が見られ、まだまだ蕾もありました。
しかし、シカの食害は甚大で、既に花を食べられたもの、葉が食いちぎられた株、根こそぎ無くなっている群落も多数見受けられました。
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パトロール初日は指導員を含め12名で、避難小屋にデポしてある杭やロープ、看板等の資材をコース毎に分け、奥多摩湖方面と、惣岳山方面の2コースおよびカラマツの広場に、花の分布状況により適宜調整しながら保護柵を設置しました。
また、翌17日には、烈風吹く中、やり残した惣岳山方面および大ダワ方面にも柵を延ばし、今年の設置作業を終えました。
今回の保護柵は、これまで群落が多く見られた次の場所に設置しました。
①山頂を経て惣岳山からソーヤの丸デッコ分岐、ソーヤの丸デッコ下山路、ヤセ尾根分岐先
②避難小屋から大ダワ方面登山道脇
③惣岳山から奥多摩湖方面登山道脇
④カラマツの広場
カラマツの広場から湧水の広場への登山道には多数のカタクリの花が、また体験の森内のほとんど人が入らない尾根筋や奥多摩湖への登山道の林床部には片葉のカタクリが多数見られました。
生育地の下降・分散化がさらに進んだ模様、来年以降の保護柵の設置箇所の検討が必要なようです。
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ソーヤの丸デッコでの柵設置          モニタカメラの交換作業
今年は、御前山の入山者が減少したこと等諸般の事情を勘案して、パトロールは土・日・祝のみ実施します。
登山者に安全登山や携帯トイレのPR活動等山岳環境保護のための啓もう活動を行うことが主な活動ですが、これに加え自然保護委員会が作成した『御前山リーフレット』を配布するとともに、カタクリ開花状況の調査のために昨年より始めた株数のカウントも引き続き実施します。
また、携帯トイレの周知が進んだことにより、例年実施してきたアンケートは中止しますが、これまでのアンケート結果は、その抄録をパトロール日に山頂に掲示します。
さらに、爆発的に増えているシカや、クマ、イノシシ、カモシカ等々の野生動物の行動観察のために設置したセンサーカメラは今年も引き続き稼働させています。
また、5月21日(土)には保護柵の撤去作業を行いますが、その参加者を募っています[終了]。
カタクリ保護活動、その他自然保護委員会の活動に興味のある方、是非ご協力下さい。

奥多摩御前山マップ リーフレット 都岳連自然保護委員会版

奥多摩御前山リーフレット 都岳連自然保護委員会版

奥多摩の御前山や奥多摩都民の森を歩かれるときにはこの奥多摩御前山リーフレットを印刷するなどして個人的にご利用ください。

画像をクリックすると、PFDフォーマットで大きくご覧になれます。

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本リーフレットの地図について
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図25000を複製したものです。(承認番号 平27情複、第883号)
承認を得て作成したこのリーフレットを第三者がさらに複製する場合には、国土地理院の長の承認を得なければなりません。

払沢の滝周辺を歩く おもしろ地球観察会の速報

奥多摩 払沢の滝周辺を歩く〜おもしろ地球観察会の写真による速報です。
2016年3月6日(日) 心配されていた天気は程良く晴れて、早春の檜原村でおもしろ地球観察会が行われました。
今回の企画には応募が多く、定員に達したため締め切り日を待たずに受付を終了し、最終的には29人の参加者により行われました。キャンセル待ちをしていただいたりして参加できなかった皆さまには大変申し訳ありませんでした。
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和田向バス停で、主催者の挨拶の後、観察会の概要とプレート理論による地球の変動現象などの説明がありました。
観察は、およそ次のようなルートで、多少の起伏を含んでハイキングとしても楽しめました。
和田向バス停付近の海底地滑りの褶曲、中山の滝の泥砂岩互層、泉沢の貴布祢伊龍神社のチャート石、檜原城址の遠望、口留め番所跡などの史跡、吉祥寺、払沢の滝の断層。
最後の払沢の滝のバス停では、名物の豆腐を試食して観察会は終了となりました。西東京バスの臨時便を出していただき、移動がゆったりと出来ました。
また、観察をしている中で、次のような春を感じる植物の花が見られました。
オオイヌフグリ、ヒメオドリコソウ、フキノトウ、ミツマタ。
写真:中山の滝での泥砂岩互層の観察、和田向での海底地滑り褶曲の観察、泉沢でのチャート石の観察、払沢の滝の断層の観察(右側の凹部)

秋めく里山の自然 自然観察ハイキングの速報

秋めく里山の自然 ハイキングと自然観察会の写真による速報です。
2015年 10月18(日) 朝から晴れて、ちょうど良いお天気の中で自然観察会は行われました。
雨天であった前日の下見などにより、観察する動植物の確認と表示、地元のお土産などの準備は整い、22人の参加者を迎えて6班でのきめ細かな観察が行われました。
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桜やツタなどが色づき始めて秋が進んでいました。モミジ類の紅葉はこれからですが、沢山の秋の花と草木の実りを観察できました。
ツリフネソウ、コウヤボウキ、ノコンギクなどの花が見られ、チゴユリやホウチャクソウ、ムラサキシキブなどの紫の実がたくさん付いていました。オトコヨウゾメなどの赤い実も鮮やかです。ヤブコウジやヤブランの実はまだ緑色のままでした。
多くの植物の観察の間に武蔵五日市の地形の話や前日から採集した実際の土壌動物を見ながらの動植物の食物連鎖の話などがありました。
コースの終了点となる白萩でも有名な大悲願寺で、香りのよいマイタケがお土産として渡されました。夕食が楽しみですね。
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観察会では、およそ次のような植物が見られました。
木本
クサギ、ゴンズイ、オトコヨウゾメ、ガマズミ、テイカカズラ、アケビ、ニシキギ、マユミ、ムラサキシキブ、ヤブムラサキ、サルトリイバラ
草本
(花)ミゾソバ、ツリフネソウ、キバナアキギリ、オケラ、カシワバハグマ、サラシナショウマ、カンアオイ、コウヤボウキ
(実)ウバユリ、ヤブミョウガ、ホウチャクソウ、チゴユリ、ノブキ、ガマ、サンカクイ、シオデ、イノコヅチ
写真:横沢入での話、林道での観察、ミゾソバ、オトコヨウゾメ、横沢入のパノラマ

山登りやアウトドアに使える携帯トイレの入手方法

山登りやアウトドアに使える携帯トイレの入手方法の紹介です。

山の自然環境を守るために利尻岳や早池峰山、屋久島などで、トイレの持ち帰りを進めているところがあります。登山やハイキングで長時間歩いてもトイレがない場合もあります。
東京都山岳連盟自然保護委員会では、このようなときに利用できる携帯トイレの利用を推奨しています。

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山行中に使用できるこの携帯トイレは、東京都山岳連盟とメーカーで協力して開発したものです。
現在は登山用具店や防災用品取扱店などで購入できますが、地方にお住まいの方から購入することが困難とのお話があり、全国どこにでもお送りするように(有)真コーポレーション社に協力していただきました。

ご注文、携帯トイレに関するご質問やご相談は次のメールアドレスにご連絡ください。お返事を数日中にしているそうです。
 メールアドレス  


 タイトルを「携帯トイレの購入」として下さい。

 便袋(白)2枚+グリーンチャック袋 1枚 で1セット
 400円 消費税込み、送料別
 ※1人で2回のハイキングなどに使用できます。
 (尿だけの時は、便袋だけを処理してグリーンチャック袋は再使用できます。)

クラブやグループでの多量割引価格についてもご相談に応じるそうです。
なお、これはメーカがセット商品として販売しているものではなく、小分けして販売するものです。
支払い方法は、銀行振込、郵貯電信振替、現金書留が使えます。

参考:
  →都岳連の関連ページ
  →メーカの関連商品サイト