長い目で見ると植物は変わる :委員のつぶやきコラム

80年生きて、地球の大自然を見て来た。地球の大自然を簡単に、人間の力では変えることは出来ない。又、地球温暖化と言う言葉も良く使われる。暑い年や、寒い年はあるけれど、地球の赤道近くは50℃近くになり、北極・南極はマイナス50℃近くにもなり、約100℃の差の中で、人間・動物・植物は生きている。2千万年古い化石を見るとき、相当の数の絶滅した動植物もあり、現在も絶滅危惧にさらされている動植物の現状がある。

60年以上、山を歩いていると、山の植物は変わって来ている。カタクリや笹が消えたり、フキが消えているようなことが多く見られる。植物は連作を嫌うからでしょうか。畑でカタクリ粉を生産していた農家は、日本で一軒もなくなった。笹の葉などを製薬会社に出していた農家も、数十年毎に場所を変えているようだ。植物は連作を嫌う為に、その畑の土壌を変えてやらなければならいので、耕したり、肥料を与えたり、畑を移転させたりする。又、植物によっては、自ら蔓を延ばして移動していく。

何もせず、じっと見守って行くことも、自然保護のひとつかと思うが、大切にしていく事を考えるのも自然保護のひとつと思います。

野本秀旺

情報を伝えて自然保護の広がりを願う :委員のつぶやきコラム

p20110430cactus.jpg子供の頃にサボテンを買ってから何本も腐らせたが、これが絶滅危惧種とは後に知った。変わった形のものほど希少で、生育環境にこだわる。マダガスカルなどの原産地では農地化や園芸家向けの採取で激減していると聞く。
希少で生育環境を選ぶことでは山で出会った高山植物も似ている。レジャーや撮影での生育地への侵入や販売目的の盗掘も似ている。
状況が理解できれば影響の少ない行動がとられると思う。高尾山の清掃登山から入った自然保護委員会で、仕事で慣れたインターネットを活かして情報を共有し、協調者が増えることを願っている。

野口

写真: 日本で購入できるサボテン
参考: Red Data Book (imagesタブに写真がある)https://www.iucnredlist.org/

境環境基本法や自然公園法など環問題の理解に :委員のつぶやきコラム

近年の地球環境は年ごとに悪化しています。
環境に関する法律は、ひと昔前から比べれば条約、条例、法律と多岐にわたって制定される様になりました。司法試験の中に環境法が選択科目のひとつになっているという事実は近年の環境保護運動の成果ではないでしょうか。
環境基本法、森林法、自然公園法、景観法、水質、大気、騒音、化学物質、リサイクル法、ラムサール条約、モントリオール議定書などなど、多岐にわたっていますが、これらのことを少しでも勉強しなければと考えて居ります。指導員の皆さま方にも是非、時間を作り、関心ある分野を勉強して頂ければ、環境問題の一端を理解する手助けにもなると思います。

西山

自然保護と環境保全について :委員のつぶやきコラム

自然保護と環境保全について
これらは度々申し上げて参りましたが、今尚、区別が一般化されていない様ですので(例えば岳連通信2010年第1号巻頭言)この際、申し上げる事としました。
「自然保護」とは、人間以外の諸生物(植物・動物・菌類)及び一部無機物としての自然物(岩石・鉱物)の本来のままで保存する事で、人による破壊から守る事です。
「環境保全」とは、人間を中心とした生活圏の確保・保全(大気汚染・騒音・振動)で、両者には重複点が多くあるから、実状では判然としない場合も多い。
私達の活動も、現状では重複している事が多く、こうやって理屈を述べ理論的に分類して、自然保護に類する事だけを活動すると云う訳ではないが、これらの点をよく理解した上で、行動してゆくべきだと思います。
新村 貞男

高尾山の氷の花シモバシラを見にハイキングしました。

p20110110simobasira.jpg

2011年1月10日に、初詣を兼ねて氷の花、シモバシラを見に高尾山から相模湖まで歩いてきた。気温が上がったので心配したが、高尾山口駅では薄く氷が張っていて、上部はさらに冷えて登山道が凍結して靴を汚さずに歩くことができた。また、登山道の保護かと思われるが一丁平辺りまでの登山道にはワラでできたコモが敷かれていた。
高尾山頂の直下は、環境が変わってシモバシラができにくくなったという掲示があり、ビジターセンターの設置していた観察路は閉鎖されていた。
ここから一丁平、城山にかけては、わりと大きいシモバシラが沢山できていた。
カメラで接写しようとして保護ロープがあっても中に踏み込む人が絶えない。さらに、崖を登ったり下りたりの跡もしっかり付いていた。途中で見かけた4件は道に戻っていただいた。
高尾山と一丁平上部の展望台からは、白く美しい富士山と南アルプスの一部を見ることができた。
投稿: 野口

人工登攀の終焉 :委員のつぶやきコラム

人工登攀の終焉

1966年(昭和41年)7月10日、黒部別山大タテガビン南東壁正面壁鵬翔ルートを丸山隆司、竹内昌博、徳永邦光の3名で初登攀した。
ルートは、基部から登攀終了点まで全長480M、グレード「4級・A1」。
この初登攀を契機に、南東壁は次々と新しいルートが、人工登攀(エイドルート)で開拓された。

その当時は「ヒマラヤ鉄の時代」と云われ、岩壁にハーケンやボルトを打ち込む事は、ルートの難易度を下げない限り、抵抗感が無かった。
しかし、高所登頂も無酸素が当たり前となり、岩壁登攀も前進の為の人工を排し、ルートのフリー化、即、人間自身の力で攀じる思考へと進化した。
クライマーにも、自然環境保全の理念が浸透した証左であろう。
自然は人間の畏敬の対象でもある。

徳永邦光

来年の夢 世界最小の花 :委員のつぶやきコラム

来年の夢

今年も残り少なくなりましたが、世界最大の花、「ラフレシア」が今年7月に小石川植物園で咲いたのを覚えていらっしゃいますか。
強烈な匂いで、たった2日の開花とか、テレビでみました。

とたんにそれでは世界最小の花は?
ネットで調べましたら「ミジンコ浮き草」だそうです。0.5ミリの葉?に咲く花、見てみたいです。

種子植物だそうですから花が咲き、実がなるのでしょう。めったに咲かないそうですが、栽培は容易にできそうです。今度横沢入りで、見つけて栽培してみようと思います。

もし花が咲いたらビックニュースです。

椎名 宏子

Web担当で参考リンクを追加しました:「oNLINE植物アルバム」のサイト
ラフレシア
http://plantdb.ipc.miyakyo-u.ac.jp/php/view.php?plant_id=12685&data_id=
ミジンコウキクサ(細かい方がミジンコウキクサ)
http://plantdb.ipc.miyakyo-u.ac.jp/php/view.php?plant_id=11526&data_id=

森づくり見学会(あきる野市)のご紹介 [終了]

あきる野市で森づくり見学会があるそうです。
主催者からのリーフレットの抜粋を次に掲載します。
詳細は問い合わせ先でご確認をお願いします。
p20101122ranger.jpgのサムネール画像
投稿: あまの

→ リーフレットのダウンロード(pdf形式)

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木材の生産現場である森で作業体験した後、加工現場である木工連の工房を見学します。秋川の木材を使うと、地域の豊かな自然が育まれる仕組みを一緒に学んで見ませんか?
当日は、あきる野市が誇る森の番人「森林レンジャーあきる野」がご案内します。

日時  平成22年11月27日(土) 午前9時から午後4時まで
集合  あきる野市役所 午前9時 または、五日市出張所 午前9時30分
対象  18歳以上の方
内容  経済林での林業視察及び作業体験、木工連工房などの視察
参加費  1000円(保険代金等)

※参加を希望する方は電話でお申込みください。 募集人数は先着20名です。

問合せ先  あきる野市役所 環境の森推進室 042-558-1111(内線2551)
受付時間 平日の8:30から17:00
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マングローブの森 西表島 :委員のつぶやきコラム

p20101025maryudufall.jpg
 今夏、西表島へ行った。
 この島は沖縄本島に次ぐ大きさがありながら、亜熱帯ジャングルが90%以上を占め、人は島の半分にしか住んでいない未開の地を残す自然豊かな島だ。

 観光客が増加するにつれ、自然を観光資源として利用することで、大切な財産を失いたくはない。この島を第二の屋久島にしないため、島の大きさに見合った利用方法を考え、自分たちの手で守ってゆく道を探していると島民が語ってくれた。

 エコツアーに参加し、ゴムボートでマングローブのジャングルへ分け入り、崖から落ちる滝に打たれたり、シュノーケルを付けて熱帯魚や珊瑚礁を観察したりと、手付かずの自然を満喫しながら、この自然を次世代へ引き渡すのは私たちの責務と思った。

小島

写真: 浦内川上流のマリュドゥの滝(日本の滝100選)

COP10が日本の名古屋で開催 国際生物多様性年の2010年

COP10-生物多様性条約第10回締約国会議(通称:国連地球生きもの会議)-が、10月11日から29日まで、世界193カ国・地域が参加して、名古屋市で開催される。議長は、菅改造内閣で就任したばかりの松本龍環境・防災大臣。

生物多様性条約の目的

  1. 多様生物性の保全
  2. 生物多様性の構成要素の持続可能な利用
  3. 遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分

 これは生物多様性を保全し、生態系の恵みはその回復が追い付く範囲内で利用する、 その利用で生じる利益は原産国へも配分するということになろうか。
 以上三つの理念を基に、2020年までに達成すべき世界目標「名古屋タ-ゲット」、利用国と原産国の利益配分を定める国際ル-ル「名古屋議定書」の採択を目指す。

 全世界の人々が、日本の生活レベルになれば、地球の2.3個分の資源が必要とされる。日本は29位だが、世界中が2位の米国並みに達すれば、地球5個分が必要となると云う。
 環境省発表のレッドデータブックは、日本国内で3,155種の動植物が、消滅の危機に晒されているとしている。世界では、毎日毎日100種類が消滅していると云われている。恐竜時代は、1世紀に1種類の滅亡であったと云うから、地球は今、有史以来のとめどもないスピ-ドで、破滅へと向かっているのかもしれない。
 COP10を契機に、日本は栄誉ある議長国として、先進国と発展途上国の利害の調整に努め、強いリ-ダーシップを発揮して、水の惑星、青い地球の滅亡への道に、歯止めを掛ける事が責務ではないだろうか。

投稿: 徳永 邦光

巻機山景観保全ボランティアーズに参加して

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去る8月22日〜23日、「巻機山景観保全ボランティアーズ」に参加するため、真夏日が続く都心を抜けて、涼しい高地へ・・・
のはずが、標高1500Mを越えても変わらず暑かった。。。。
巻機山は多雪のため雪解けが遅く、山頂一帯は過湿状態におかれ樹木類が入り込めず、夏季の短期間でも生育できる草本植物で占められます。湿原の一種、雪田草原が美しい山です。
かつての巻機山は、登山者の踏みつけなどで植生が破壊され、裸地化と侵食の拡大、地塘破壊などを誘発していたそうです。
私は始めての参加でしたが、巻機山景観保全ボランティアは30年近くの歴史があります。今年の作業は、8合目付近の登山道が広がってしまった箇所にヒゲノガリヤス(裸地のパイオニア種)の種をまき、緑化ネット敷き、肥料撒き。避難小屋から山頂への登山道脇の池塘のミヤマホタルイ株を掘り取り、それを乾上った地塘へ客土。これらの作業に微力ながら参加させていただきました。

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登山者の一人として、自分の一歩が自然に与えるインパクトの大きさに矛盾を覚えることがしばしばですが、このようなボランティアを通して、美しい光景を後世に残し、山で得た恩恵を少しでも恩返しできる一助を担えればと考えます。
巻機山景観保全ボランティアーズの代表である松本清氏を中心に東京農業大学関係者らが30年近く、毎年精魂こめて保全してきた巻機山。訪れる機会がありましたら、ボランティアの皆さんの30年におよぶ試行錯誤の成果をみて知っていただき、登山者の皆さんにも自然保護・保全に関心を持っていただければ幸いです。
(参加者:岡田、福田、長谷川)

投稿:はせがわ

写真:作業前の竜王の池 エゾホソイ、 裸地化した場所に植生を復元させるために竜王池のエゾホソイをブロック移植している様子、 朝日平付近の植生復元の様子
撮影:福田

岳人達の憩いの場に :委員のつぶやきコラム

周囲の反対・心配を押し切って前職と180度と言っていい位違った職種である「おでんと山賊料理の店・川端」を飯田橋駅近くに開業して3年と8ヶ月、皆様のご支援により順調に営業しております。

この間、子供の頃から慣れ親しんだ山登りや、1991年から参加させて頂いてる自然保護委員会の活動を通じて知己を得た全国の岳人のご好意により、旬の山菜やキノコ、ユズやアケビといった山の果実、イノシシやシカとウマ等の獣肉などなどの東京では珍しい食材を送って頂きお客様に提供しております。
是非お立ち寄り下さい。なお、土日・祝日は山行のためお休みさせて頂いております・・・

小高令子

カラスウリの退治と芋ほり

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8月のお盆後の実家で、カラスウリがツツジなどの庭木に絡みついていたのでこれを退治しました。
カラスウリは、夕方に白いきれいな花を咲かせていましたが、この時期は覆っている木の上からツルを地面に向かって垂らします。ツルの先端が地面に届くとそこからまた根が生えてきます。おおもとのツルを何度引っこ抜いても後から芽が出てきます。根こそぎ退治しようと根を掘ってみると写真のように芋が出ました。地上のツルを引っこ抜いてもこの芋が残っていたわけです。これで我が家では雑草の退治がおわりました。

あとで調べてみると、この芋からとったデンプンはベビーパウダーなどに使えるそうです。また、カラスウリを朝顔や苦瓜の代わりに日よけとして窓辺などに植える人もいるそうです。もったいなかったかな?
カラスウリの名前の由来は、カラスなどの鳥が食べたり、残したりするというものと、実が熟すと朱色の墨汁の色に似ているので唐朱瓜(からしゅうり)となったというものがあるようです。

投稿:  野口

水質調査活動での様子 2010年8月

2010年8月21日(土)定例の奥多摩の水質調査を4名で実施しました。

前日の大雨の影響で道はしっとりとして歩き易いのですが湿度が高く少々熱中症気味での夏の低山はこたえました。

真夏にはやはり花は少なく、クズ(葛)、キツリフネ(黄釣船)、ヤマアジサイ(山紫陽花)、カメバヒキオコシ(亀葉引起)くらいしか目に映りませんでした。マルバ、ウリハダ、イロハの楓類は、葉が繁り合い深い所では群青色にさえ見えました。春に開花したサンショウ(山椒)も立派に結実し、ヤマブドウ(山葡萄)も確実に実を大きくしています。

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6月に珍しいタゴガエルの卵塊を発見した湧水地では5㎜程の真っ黒いオタマジャクシが200~300匹発生していました。

避難小屋にトイレットペーパを20個補充し、暑さのためちょっとペースダウンした水質調査は16時20分に無事終了致しました。

投稿 ヤマネ
写真: 西山

巻機山との出会い 植生復元の活動 :委員のつぶやきコラム

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 私が初めて巻機山での植生復元の活動に参加したのは1992年。その当時、登山道が荒れている、特に高山でのお花畑が踏み荒らされていくことに心を痛めていたことがきっかけでした。何かできることはないだろうかという思いでの参加でした。

 それからほぼ毎年のように行き、種取り、種まき、池塘の復元など、1年でたった2日の参加でも、毎年のように行くと自分たちが作業した結果が見えてきます。緑がよみがえるのが実感できました。反面、やってもやっても戻らなところも・・・、自然をもどす時間の長さが実感できました。
 そして、定期的に同じ山に行くことで山や自然の様々な変化が見えるようになってきました。
 どなたもホームグラウンドの山を持ってみてはいかがでしょうか。

岡田

ご参考: 今年も巻機山の植生復元の活動が行われます。重労働はありません、気軽に参加ください。
巻機山景観保全ボランティアーズ
http://www.asahi-net.or.jp/%7Evj3m-yki/makihatatop/makihatatop.html