登山道などの整備維持に関する情報について

東京都心近くの奥多摩などを歩くとニホンジカによる裸地化や登山用ストックによる登山道の崩れが目に付くようになりました。また、新聞によると最近は新型コロナウィルスへの緊急事態宣言による登山者の減少から登山道の整備が難しくなっているそうです。他にも登山環境を維持するために入山協力金や寄付金などが複数の地域で始まっているそうです。(後述のリンクをご参照ください。)

さて、最近この登山道に関する書籍を都岳連自然保護委員会委員長の岡田氏らが共著で自費出版したのでご紹介します。
“登山者は山に登りながら、誰が登山道を整備し、誰が維持管理しているのか、意識することなく利用しています。国や地方自治体で整備された登山道は少なく、多くの登山道は管理者が曖昧のままで、山小屋関係者の自助努力や山岳団体などのボランティア活動により維持されているのが現状です。
今回、登山道の現状と課題を明らかにして、安全・安心な登山道の整備を促進するためには、登山道法の制定が必要であることを提言した「これでいいのか登山道」を刊行いたしました。事例写真を多数掲載し、各方面から検討を加えたものです。”
p20211031hyoshi.png これでいいのか登山道 一よりよい「山の道」をめざして一
 登山道法研究会 共著
 目次は→こちら、 書評は→こちら
 体裁 A4判・オールカラー 154ページ
 価格 1,000円(消費税込み)
自費出版の本は次のアドレスにお問い合わせください。
 メール 

 岡田博行(オカダヒロユキ)氏

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【参考資料:新聞やWebの一例】(2021/10/26時点、以降のURLの変更や削除には対応していません)

登山道が消える!? 北アルプス登山に危機
NHK 2021年7月20日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210720/k10013147531000.html

登山者もなんとかしたかった 荒れた登山道整備に協力金
朝日新聞デジタル 2021年8月3日
https://www.asahi.com/articles/ASP827FR2P82IIPE009.html

大山入山協力金実証事業
鳥取県生活環境部 緑豊かな自然課 2021年6月4日
https://www.pref.tottori.lg.jp/297817.htm
大山の保全のための受益者負担の仕組み(入山料等)の検討のための社会実験の結果のとりまとめについて
環境省 2020年02月04日
http://chushikoku.env.go.jp/pre_2020/post_111.html

富士山保全協力金
富士山における適正利用推進協議会 2021年06月30日
http://www.fujisan-climb.jp/manner/kyoryokukin.html

奥多摩小屋のテント利用 再開に向けて協議を始める

令和2年度より五十人平(奥多摩小屋付近)のテント利用の再開に向けて環境省、東京都、奥多摩町で協議を始めるそうです。
その前提として、自然公園法上の公園管理計画では奥多摩小屋は現在「宿泊施設」としてのみ許可されている(つまり、野営場としての許可は受けていない)ところから、これを『野営場』に変更しなければなりませんが、その変更についても土地所有者の東京都水道局も、許可を出す環境省も了解しているとのことで、テント場再開に向けてかなりの進捗といえます。
この情報は2020年1月24日(金)に田村利光 東京都議会議員より電話で頂きました。1月23日に東京都環境局自然環境部緑環境課からの連絡があったとのことです。
小屋の解体時期についての言及はなかったようですが、ここにきて漸く良い方向に動き出したようです。
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写真:2019/12/08の自然保護委員会の雲取山環境調査時に撮影
奥多摩小屋のテント場(閉鎖)、水場に下りる登山道、奥多摩小屋(閉鎖)、奥多摩小屋トイレ(閉鎖)

奥多摩小屋(秩父多摩甲斐国立公園内)の存続等についての要望書

秩父多摩甲斐国立公園内の奥多摩小屋の存続等についての要望書

公益社団法人東京都山岳連盟は、奥多摩小屋の管理運営主体である奥多摩町が老朽化した奥多摩小屋を閉鎖する方針であることを知り、環境大臣、東京都知事、奥多摩町長宛に平成29年11月8日付けで存続などについての要望書を提出しました。

およそ次のような内容です。
1. 奥多摩小屋の維持、または再建
2. 奥多摩小屋テントサイトの存続
3. 環境に配慮したトイレの設置

要望書はこちらから→http://www.togakuren.com
→要望書のPDF形式はこちらから

 

また、2月9日の東京新聞に関連の記事が掲載されました。「奥多摩山域を愛する会」を結成して行われた署名活動などが紹介されています。なお、署名活動は2月末で終了します。

現在、平成30年2月9日の東京新聞の関連記事は見ることができなくなっています。
 東京新聞:「奥多摩小屋 存続させて」 登山愛好家が署名活動「安全確保に」

奥多摩 御前山における環境調査報告書2016

奥多摩 御前山における環境調査報告書2016を2016年9月に出版しました。

(公社)東京都山岳連盟自然保護委員会は、主として秩父多摩甲斐国立公園を中心に山岳環境保全活動や調査活動を行っている。 特に私たちがフィールドとしている御前山は、大岳山・三頭山とともに奥多摩三山に数えられ、東京都の水道水源林としても保護されている山域であり、その保全は重要である。
活動の一つに毎年3月から12月までの結氷期を除き、奥多摩御前山4地点で行っている沢水の定点水質調査がある。20年近くにわたり継続してきた調査から、どんなことが読み取れるのか、検証を行い取りまとめた。

また、奥多摩御前山でのカタクリ保護とトイレマナー啓もうのため、毎年4月後半、延べ100名以上の日山協自然保護指導員の協力を得て行っているカタクリパトロールは、奥多摩で数少ないカタクリの群生地を踏みつけなどから守り、また携帯トイレの普及を目的としている。このとき併せて行っているアンケートから、登山者の山岳トイレへの関心の高まりが見て取れる。

さらには、御前山のカタクリをシカが本当に食べているのかを検証したいとの思いから設置したセンサーカメラは、その現場を捉え、またヌタ場に集まる沢山の野生鳥獣を写した。

こうしたデータをもとに山のトイレ問題はどうあるべきか、近年増えているシカの食害から自然をどう守っていくか等々、受益者として私たち登山者が行政や山小屋関係者に働きかける活動の礎としたいと考えている。

奥多摩御前山における 環境調査報告書2016 PDF版は、こちらから表示・ダウンロードできます。

p20161121reporthyoshi.png→ダウンロード ファイル f20161120kankyorepo2016.pdf

この資料は、公益社団法人 東京都山岳連盟 自然保護委員会が著作権を所有します。引用する場合は出典を明らかにしてください。また、この資料を再配布する場合は、当委員会に事前にご連絡ください。

なお、2002年度に調査出版した報告書は、こちらです。
  →多摩川の源流に位置する奥多摩御前山における自然水とし尿の調査研究2002年


奥多摩御前山における 環境調査報告書2016 目次

はじめに
1.本調査活動の目的
1.1 本調査活動を開始した理由
1.2 本調査初期(1999年~2001年)の目的
1.3 本調査継続(2002年~2015年)の目的
2.本調査活動の総括
2.1 本調査期間における御前山を取り巻く環境の変化について
2.2 水質状況
2.3 調査活動の成果
3.今後に向けた課題
3.1 御前山の基礎情報の把握
3.2 簡易トイレブース設置の必要性
3.3 シカ対策

[参考資料]
A 水質調査結果
B トイレ意識アンケート結果(カタクリパトロール時の調査アンケートより)
C 御前山センサーカメラの撮影結果
おわりに

都岳連 自然保護委員会メルマガに掲載された植物の写真

ここでは、都岳連 自然保護委員会メールマガジンに掲載された植物などについて、写真を紹介しています。

写真は、Googleの検索結果にリンクさせていますので、見られない時が来ると思います。そのときは、直接ご検索をお願いいたします。また、検索の結果には誤った写真も含まれますので、ご留意ください。なお、画像などの著作権についてはその投稿者やGoogleにあります。

 

ブナ (Google検索の結果です)

コブシ (Google検索の結果です)

カンアオイ (Google検索の結果です)

ツバキ (Google検索の結果です)

フユイチゴ (Google検索の結果です)

ススキ (Google検索の結果です)

ノハラアザミ (Google検索の結果です)

ワルナスビ (Google検索の結果です)

レンゲショウマ (Google検索の結果です)

コバイケイソウ (Google検索の結果です)

ハナイカダ (Google検索の結果です)

シロヤシオ (Google検索の結果です)

ハシリドコロ (Google検索の結果です)

マンサク (Google検索の結果です)

奥多摩御前山マップ リーフレット 都岳連自然保護委員会版

奥多摩御前山リーフレット 都岳連自然保護委員会版

奥多摩の御前山や奥多摩都民の森を歩かれるときにはこの奥多摩御前山リーフレットを印刷するなどして個人的にご利用ください。

画像をクリックすると、PFDフォーマットで大きくご覧になれます。

f20170523gozenyama-guide.pdf
f201604leaflet-gozenmap.png

本リーフレットの地図について
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図25000を複製したものです。(承認番号 平27情複、第883号)
承認を得て作成したこのリーフレットを第三者がさらに複製する場合には、国土地理院の長の承認を得なければなりません。

山登りやアウトドアに使える携帯トイレの入手方法

山登りやアウトドアに使える携帯トイレの入手方法の紹介です。

山の自然環境を守るために利尻岳や早池峰山、屋久島などで、トイレの持ち帰りを進めているところがあります。登山やハイキングで長時間歩いてもトイレがない場合もあります。
東京都山岳連盟自然保護委員会では、このようなときに利用できる携帯トイレの利用を推奨しています。

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山行中に使用できるこの携帯トイレは、東京都山岳連盟とメーカーで協力して開発したものです。
現在は登山用具店や防災用品取扱店などで購入できますが、地方にお住まいの方から購入することが困難とのお話があり、全国どこにでもお送りするように(有)真コーポレーション社に協力していただきました。

ご注文、携帯トイレに関するご質問やご相談は次のメールアドレスにご連絡ください。お返事を数日中にしているそうです。
 メールアドレス  


 タイトルを「携帯トイレの購入」として下さい。

 便袋(白)2枚+グリーンチャック袋 1枚 で1セット
 400円 消費税込み、送料別
 ※1人で2回のハイキングなどに使用できます。
 (尿だけの時は、便袋だけを処理してグリーンチャック袋は再使用できます。)

クラブやグループでの多量割引価格についてもご相談に応じるそうです。
なお、これはメーカがセット商品として販売しているものではなく、小分けして販売するものです。
支払い方法は、銀行振込、郵貯電信振替、現金書留が使えます。

参考:
  →都岳連の関連ページ
  →メーカの関連商品サイト

御前山のカメラが2014/10月にクマやイノシシを撮影

2014/10/01から10/04にかけて御前山の湧水に設置したセンサーカメラがクマの姿を捉えています。冬を前に活発に活動をしている様子で注意が必要です。
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センサーカメラは、この他にニホンジカのメスやオス、イノシシの親子を撮影していました。
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シカが御前山のカタクリを食べたとわかる写真です

近年、御前山ではつぼみが取られたカタクリが多く見られます。鹿がカタクリも食べるのではないかと考えられたので、2014年度のカタクリパトロールでは、許可を取ってカメラを設置しました。

2014/04/29に体験の森の活動の広場前に設置した監視カメラのデータを回収したところ、鹿がカタクリを食べたと判断できる写真が撮れていました。

2014/04/27から2014/04/28にかけて、鹿が来る前後の写真を比較するとカタクリがそっくり無くなっていることが確認できます。写真をクリックして、新しいウインドウで開くと拡大して表示できます。

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2014/04/27 15:38 丸で囲んだところを見るとカタクリが咲いています。
2014/04/28 00:26 夜に鹿が現れました。
2014/04/28 14:27 昨日は有ったカタクリがほとんど見当たりません。
カメラは動くものを感知して自動的に撮影します。

ダウンロードはこちらからどうぞ。5Mバイトの大きさがあります。
→p20140427shikahoshoku.zip
写真のサイズは、800px×600pxに落としてあります。

※掲載された写真については、公社)東京都山岳連盟 自然保護委員会に著作権があります。引用などをされる場合は引用元を明記して、著作権法に基づいてご使用ください。
※このカメラは、公益信託自然保護ボランティアファンド平成25年度の助成で取り付けました。

鳥インフルエンザ 野鳥など野生動物との接し方

環境省より鳥インフルエンザに関して、野鳥など野生動物との接し方についての連絡が山岳団体に届いていますので、ご留意ください。

国民の皆様へ:環境省
「高病原性鳥インフルエンザに関する情報」http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/
「野鳥との接し方について」http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/manual/20101204.pdf
「死亡した野鳥を見つけたら」http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/leaflet/leaflet-a.pdf

以下、環境省ホームページから抜粋引用です。

○死亡した野鳥など野生動物は、素手で触らないでください。また、同じ場所でたくさんの野鳥などが死亡していたら、お近くの都道府県や市町村役場にご連絡ください。
○日常生活において野鳥など野生動物の排泄物等に触れた後には、手洗いとうがいをしていただければ、過度に心配する必要はありません。
○野鳥の糞が靴の裏や車両に付くことにより、鳥インフルエンザウイルスが他の地域へ運ばれるおそれがありますので、野鳥に近づきすぎないようにしてください。

山岳トイレの整備補助事業廃止への意見書 2010/07/22

  2010年6月の事業仕訳けで山岳トイレの整備補助金がカットされました。受益者が負担すべきとの理由です。山小屋、山をもつ地方行政、登山者、自然保護団体等が集まり、次の様な文を発表しました。

声明文

 6月9日、環境省行政事業レビューで「山小屋トイレ整備補助事業」*に『廃止』の判定が下されました。山に親しみ、自然を愛するすべての人々にとって衝撃的な出来事でした。この事業は山小屋トイレの整備に大きな貢献をしてきたからです。
 富士山、日本アルプスなどの高山から身近な里山まで、山は国土の骨格を形成し、美しい日本の山は世界に誇る国民の共有財産です。山の自然を守り、利用するうえでトイレは必要不可欠な施設であり、山小屋トイレは、公衆トイレに代わる公共的役割を担っています。しかも、トイレの未整備や整備が不適切なことによって、自然環境の汚染源になっていることなどから、緊急に整備が必要な山小屋トイレは、いまも全国に数多く存在しています。
 山岳地域においては、トイレ整備にかかる工費は膨大になります。公共的役割も担う山小屋トイレの整備促進には国からの支援が不可欠です。山岳自然環境の保護を図るために、環境に配慮した山小屋トイレ整備の促進を以下の通り強く訴えます。

*正式には環境省の「山岳環境等浄化・安全対策緊急事業費補助」事業

1.自然公園等での山岳地の公営・民営の山小屋トイレ・し尿処理施設の整備・改善に対し、国からの一層の支援が推進されるよう、特段の配慮を要望します

1.自然公園等の山岳地を対象に、「山岳環境保全のための利用と施設整備のあり方に関する総合計画」を国は早急に策定することを要望します

以上

2010年7月22日
「山はみんなの宝!全国集会」賛同人一同

自然保護委員会のゴミ袋の配布が新聞取材されたとき

都岳連 自然保護委員会のゴミ袋の配布が取材されたこともありました。

 高尾山のクリーンハイクなどでおなじみのゴミ袋ですが、都岳連で配布していることが新聞で取り上げられたときの写真です。

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 国立公園協会が昭和47年にゴミ持ち帰り運動を始めたのをきっかけに、都岳連自然保護委員会もゴミ袋を配布して協力しようと始めました。新宿駅で23時55分発の夜行列車に乗る人などに配られました。
 1985年(昭和60年)12月29日に新宿駅でゴミ袋を配布しているところを新聞社から取材を受けたときの写真です。スキーを持っている右端は、元自然保護委員長の故尾林さんです。この後23時55分発に乗っていきました。21時30分ごろから並んでたんですね。25年前でした。

投稿 椎名

山登りやアウトドアに使える携帯トイレ

p20100727keitaitoire1.jpg 山の自然環境を守るために利尻岳や早池峰山、屋久島などで、トイレの持ち帰りを進めているところがあります。登山やハイキングで長時間歩いてもトイレがない場合もあります。このようなときに利用できる携帯トイレのご紹介です。

山行中に使用できるこの携帯トイレは、東京都山岳連盟とメーカーで協力して開発したものです。もちろん、防災用などとしても使用できます。
白い袋が携帯トイレの本体で、この中に凝固剤が入っています。これだけでも使用できますが、ザックの中に詰めて帰ってくるときには緑の袋が役に立ちます。緑の袋は厚めのビニールでできており、入り口もしっかりと閉じることができます。緑の袋をザックのタッシュに着けて歩いているのを見かけると、山の環境に配慮している人なのだなあーと感心します。

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東京都山岳連盟のカタクリパトロールの時には、奥多摩の御前山の山頂で、サンプルの販売と説明をして実際に使っていただいています。1度使った方は汚いトイレより快適とおっしゃいます。
緑のチャック袋は特殊構造(エクシールPAT)で、臭いも水も漏らさず、密閉されます。便袋を処分して何回も使用できますが、大便を入れた時は衛生面でチャック袋ごと処分して下さい。

ご質問は都岳連自然保護委員 椎名まで。
メール: 
都岳連事務局宛へ

写真: サイズが大きいですが、右クリックで新規のウインドウで表示すると大きく見えます。

参考:メーカ資料 →携帯トイレ普及状況資料(作成時期は不明です)

都岳連 自然保護委員会のゴミ袋ものがたり

都岳連 自然保護委員会のゴミ袋のお話

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 6月の環境月間に行われる高尾山のクリーンハイクなどで配布しているおなじみのゴミ袋についてのお話です。

 自然保護委員会のゴミ袋配布は、昭和47年にゴミ持ち帰り運動をしようと、国立公園協会が一主婦の提案を取り上げて始めたのをきっかけに、都岳連自然保護委員会も協力しようと始めました。新宿駅で11時55分発の夜行列車に乗る人に配られたのです。

 最初は白いレジ袋を買って配りました。次の年、当時の委員長の稲垣さんが、袋を寄付していただける会社を見つけて、自然保護憲章と東京都山岳連盟自然保護委員会の名を入れてもらって作りました。しばらくこの状態が続き、山小屋で重宝がられ、山小屋組合が山と渓谷社にたのんで、大量に作られるようになりました。2006年あたりから袋は小さくなりました。

 ゴミ袋は野本さんや宮地さんに山と渓谷社から運んでもらっていました。

投稿: 椎名
写真は、残っていた今までのゴミ袋です。写真を右クリックして新規のページで表示すると大きくなります。

多摩川の源流に位置する奥多摩御前山における自然水とし尿の調査研究2002年

多摩川の源流に位置する奥多摩御前山における自然水とし尿の調査研究 2002年

この資料は、社団法人 東京都山岳連盟 自然保護委員会により、財団法人とうきゅう環境浄化財団の支援を受けて、2002年度に調査出版されたものです。 リンクは自由ですが、引用する場合には出典と社団法人 東京都山岳連盟 自然保護委員会を明記ください。



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→ダウンロード ファイル
f20100228okutamasuishitu2002.pdf

御前山水質調査をはじめた理由

登山者が山頂をめざして汗をかき、冷たい沢水や湧水で喉の渇きを潤す時程、言いがたい喜びと自然の恵みを感ずることはない。

御前山は奥多摩の多摩川支流、栃寄沢をつめた所にあり、山頂のすぐ近く、御前山避難小屋の前に、数少ない山の湧き水がある。毎年、東京都山岳連盟主催の日本山岳耐久レース10月中旬に行われているが、飲み水の補給所として御前山避難小屋の水場を指定していた。ところが第3回日本山岳耐久レース(1995年)の時、この水場に東京都西部緑地公園事務所調査の看板掲示で、この水は飲めないことが示された。この掲示を受け、東京都山岳連盟自然保護委員会では、避難小屋にあるトイレが関係しているのではないかと考え、御前山は勿論、大ダワの避難小屋、都民の森、御岳山の長尾平、今熊山の各トイレについて現状調査を行い、環境庁(現在の環境省)及び日本トイレ協会とコンタクトを取った。
まず御前山避難小屋前の湧き水を採水し、東京都秋川保健所へ持参、水質調査を依頼した。期間は平成10年4月-9月まで6ケ月間であった。保健所に依頼するサンプリングには時間的制約(朝10時まで搬入)があり作業は困難を究めた。結果は登山者が多数入山する頃から水質が悪化することがわかった。そしてし尿持ち帰り用の便袋を開発し、持ち帰り運動を始め、同時に後記のアンケートをとった。

御前山避難小屋前の湧き水を調査の対象にした理由は、4月中頃からカタクリの可憐な花が山頂一面に咲きみだれ、現在はこの花の咲くシーズンに多くの登山者が山頂を訪れ大賑わいする。1日で2000名を越える登山者が訪れる日も往々にしてある。この登山者が生理現象をもよおすと、山頂直下の草むらで用足しをする。これらが頂上から流れる沢水にどのような影響を及ぼしているか、カタクリの花の保護とともに、自分達の手で水質調査に取り組みたいと考え、財団法人とうきゅう環境浄化財団に調査研究活動の助成を申し込み研究が認可された。

沢水にし尿が含まれているかどうかの水質検査方法は、日本環境整備教育センター仁木啓三氏より、自然保護委員及び自然保護指導員27名が水質検査の講習を受け、検査方法を体得した。また東京農工大学農学部環境資源科学科理学博士小倉紀雄教授及び鈴木君枝氏に、奥多摩体験の森指導センターで直接ご指導いただいた。
(資料の1ページより引用)

なお、P35の色の情報は2009/12/28の電子データ化の時点で原本にてほとんど読めない状態でした。また、p36は空白のページのため削除しました。
訂正: p1 年の誤りを訂正1996年→1995年、 p3 電気伝導度の単位の誤りを訂正  2010/02/28訂正 

多摩川の源流に位置する奥多摩御前山における自然水とし尿の調査研究(研究助成・一般研究VOL24-No.136)
著者 山本久子
発行日 2003年3月31日
発行 財団法人とうきゅう環境浄化財団