巻機山景観保全ボランティアーズが主催する、2011年の巻機山の景観保全活動についてご紹介します。
日本の山でのオーバーユース(過剰利用)、特に高山帯のお花畑、草原、湿原など弱い植生での踏みつけによる裸地化が深刻になっています。
上越国境の巻機山でも例外ではなく、膨大な降雪により形成された雪田草原が破壊されていました。しかし、巻機山では30年に及ぶ景観保全活動の取り組みが行われ、徐々に回復が進んでいます。
この活動について、都岳連自然保護委員会のメンバーも少なからず参加し、応援してきました。
巻機山の美しい景観を取り戻すために、是非、ご参加ください。約2000mの山での活動で大変ですが、一度は体験されることをおすすめします。
2011年、夏と秋の景観保全活動日程は次の通りです。
1.夏季活動
8月20日(土)~23日(火)
2.秋季活動
9月16日(金)~17日(土)
●詳細、申し込みはこちらへ
→巻機山景観保全ボランティアーズ
投稿:岡田
タグ: 巻機山
巻機山景観保全ボランティアーズに参加して
去る8月22日〜23日、「巻機山景観保全ボランティアーズ」に参加するため、真夏日が続く都心を抜けて、涼しい高地へ・・・
のはずが、標高1500Mを越えても変わらず暑かった。。。。
巻機山は多雪のため雪解けが遅く、山頂一帯は過湿状態におかれ樹木類が入り込めず、夏季の短期間でも生育できる草本植物で占められます。湿原の一種、雪田草原が美しい山です。
かつての巻機山は、登山者の踏みつけなどで植生が破壊され、裸地化と侵食の拡大、地塘破壊などを誘発していたそうです。
私は始めての参加でしたが、巻機山景観保全ボランティアは30年近くの歴史があります。今年の作業は、8合目付近の登山道が広がってしまった箇所にヒゲノガリヤス(裸地のパイオニア種)の種をまき、緑化ネット敷き、肥料撒き。避難小屋から山頂への登山道脇の池塘のミヤマホタルイ株を掘り取り、それを乾上った地塘へ客土。これらの作業に微力ながら参加させていただきました。
登山者の一人として、自分の一歩が自然に与えるインパクトの大きさに矛盾を覚えることがしばしばですが、このようなボランティアを通して、美しい光景を後世に残し、山で得た恩恵を少しでも恩返しできる一助を担えればと考えます。
巻機山景観保全ボランティアーズの代表である松本清氏を中心に東京農業大学関係者らが30年近く、毎年精魂こめて保全してきた巻機山。訪れる機会がありましたら、ボランティアの皆さんの30年におよぶ試行錯誤の成果をみて知っていただき、登山者の皆さんにも自然保護・保全に関心を持っていただければ幸いです。
(参加者:岡田、福田、長谷川)
投稿:はせがわ
写真:作業前の竜王の池 エゾホソイ、 裸地化した場所に植生を復元させるために竜王池のエゾホソイをブロック移植している様子、 朝日平付近の植生復元の様子
撮影:福田
巻機山との出会い 植生復元の活動 :委員のつぶやきコラム
私が初めて巻機山での植生復元の活動に参加したのは1992年。その当時、登山道が荒れている、特に高山でのお花畑が踏み荒らされていくことに心を痛めていたことがきっかけでした。何かできることはないだろうかという思いでの参加でした。
それからほぼ毎年のように行き、種取り、種まき、池塘の復元など、1年でたった2日の参加でも、毎年のように行くと自分たちが作業した結果が見えてきます。緑がよみがえるのが実感できました。反面、やってもやっても戻らなところも・・・、自然をもどす時間の長さが実感できました。
そして、定期的に同じ山に行くことで山や自然の様々な変化が見えるようになってきました。
どなたもホームグラウンドの山を持ってみてはいかがでしょうか。
岡田
ご参考: 今年も巻機山の植生復元の活動が行われます。重労働はありません、気軽に参加ください。
巻機山景観保全ボランティアーズ
http://www.asahi-net.or.jp/%7Evj3m-yki/makihatatop/makihatatop.html