いのちを守る森づくり :委員のつぶやきコラム

 山を登りながら、漠然と自然保護や保全について考え、森林の勉強をしてみたいと思い始めた頃、「3000万本の木を植えた男」という植物学者の宮脇昭先生を知った。昔からあった土地固有の植生を割りだし、その土地に最適な木『潜在自然植生』を植える活動を国内外で続け、83歳の今も現場で活動をする「植樹の神様」といわれる凄い人である。
 その先生が、東日本大震災の未曾有の被害状況を見て、森の防潮堤づくりの提言をした。有害物質等を取り除いた瓦礫を土と混ぜて盛土をつくり、その上に潜在自然植生の植樹をする。
 人間の力ではとても太刀打ちできない自然の驚異。被災地にあふれる瓦礫の山を未来につながる「いのちを守る森」へ。自然との共生の在り方を問うこの壮大なプロジェクトを応援したいと思った。

はせがわ 

参考: 宮脇 昭「がれきを森へ・・・ 命を守るプロジェクト」
http://www.youtube.com/watch?v=SHCqz_lHL0Q&feature=related

高尾山クリーンハイクの実施報告 2011/06/05

高尾山クリーンハイクとセッコク観賞  京王線・高尾山口駅〜高尾山山頂

今年度は世界環境デーの6月5日(日)に、参加者130名、スタッフ24名という大パーティーで自然環境保護を訴える清掃ハイキングを新緑の高尾山で行なった。

梅雨の中休みで心配だった雨もなく薄日さえ差す中、大混雑の高尾山口駅前の集合場所に参加者が次々に集まってきた。申し込み制ではなく当日受付のシステム
だけに受付作業が大変。8時40分予定の受付時間を繰り上げて名簿への記入を開始。一人一人にゴミ袋、資料を手渡していく。併せてこの日、ご協力頂く日山
協自然保護指導員の皆さんを集め概要説明を行なった。

午前9時、全参加者に声をかけて開始の挨拶。クリーンハイクの意義、国定公園内での自然環境保護、行動中の注意などを呼び掛けた後、コース説明、そして班
分け。参加者の希望コースに沿って10班を編成。新緑の中、各班担当リーダーの誘導で山頂に向かった。1号路には企業の方が加わったが、このクリーンハイ
クが企業からも注目されているということか。

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参加者が杉の高木に着生するセッコクの花に歓声を挙げ、林縁に咲くサイハイラン、ギンラン、フタリシズカ、ミツバウツギなどを観賞。各班リーダーの適切な自然解説に参加者は疲れも忘れて聞き入っていた。

各班ともほぼ予定通りに山頂到着。眺望を楽しんだ後、少し下った5号路への分岐にある小広い場所に集合。都岳連気象委員会の城所氏から「今年の梅雨の特徴」と題した気象講座があった。参加者は気象のプロのレクチャーに大注目だった。
自然保護委員会の西山委員長からねぎらいの言葉、続いて感謝状が贈られた。委員長から幼稚園児と小学2年の2名には直接感謝状が手渡され参加者から盛んな拍手が沸いた。
12時30分過ぎ無事、予定を終了した。

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登山者、ハイカーのマナー向上でゴミは少なかったが参加者がゴミばさみ、ゴミ袋を持って山を歩くことでキャンペーンの意義は十分達成されたのではないだろうか。

また、クリーンハイクと並行して、環境月間の恒例の活動である高尾山での水質調査が行われた。

参加者130名(都岳連加盟35名、一般95名)
なお、今年度は大人数の団体でのご参加についてはご意向に沿えないことになり失礼いたしました。

講師: 城所 邦夫氏(都岳連気象委員会専門委員)
参加スタッフ: 24名 
総指揮: 森谷、CL:宮崎、SL:野口、
班担当: 西山、菊池、徳永、福田、石井、長谷川、笠松、小原、小林、山口、猪狩、野本、蒲池、山根、椎名、新村、小島、廣田、大島、 (担当班順)
水質調査: 藤井、山根
このほか、自然保護指導員のご協力を得ました。

報告: 宮崎 仁一郎

写真:  野口、森谷
左上:高尾山口駅、右上:感謝状、 左下:高尾山山頂付近終了時、右下:ケーブル駅のセッコク観察、 下段左:セッコクの花、右:桜の実

社)日山協 自然保護指導員 新規申請手続きのご案内 2011年 [終了]

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 東京都山岳連盟では、社)日本山岳協会の「自然保護指導員」規定に基づき自然保護指導員の認定申請を取り扱っております。本年も、次の要項で自然保護指導員の募集と認定講習会を行います。
 加盟団体からのご推薦、山岳環境保護に関心のある個人会員の皆様のご応募をお待ちしております。
 都岳連自然保護委員会では、御前山のカタクリパトロール・水質調査、雲取山での定点観測・トイレ調査や春・秋の自然観察会、高尾山クリーンハイクなどの自然を守る活動を定期的、継続的に推進しております。自然保護指導員の皆さまにもいくつかの活動にご協力をいただいております。

1.  応募条件と人数
 これらの条件を満たす方。
  (1)東京都山岳連盟加盟団体の会員、または都岳連個人会員であること。
  (2)入山日数が多く山岳環境の保護・保全活動を自覚的に実行できること。
  (3)実地、および机上講習会を受講できること。
 定員: 20人 (定員になり次第締め切りますので、早めにお申し込みください)

2.  講習会
 (1)実地講習会
 7月3日(日) 9:30から16:30を予定 雨天決行
 集合:  JR五日市線 武蔵増戸駅前 9:00
 場所:  あきる野市 横沢入 (天候により変更あり)
 研修内容:自然保護指導員の基礎知識、地理・地勢など
 (2)机上講習会
 11月26日(土) 午前中を予定
 場所:  国立オリンピック記念青少年総合センターを予定
 研修内容:自然保護指導員の基礎知識などを予定

 なお、講習会への参加が日程上難しい方には講習を別途準備いたしますので、お申し出下さい。

3.  講習および認定費用等
 講習会費用は 5,500円(資料代、講師料、保険代等)
 また、指導員認定登録手続きに、4,500円が別途必要となります。(腕章、証明書発行費用、推薦事務費として)
 認定証明書は、2012年4月1日から5年間有効です。

4.  申し込み方法
(1)申し込みの期間
 5月24(火)から6月25(土)
 都岳連事務局に電話かメールで予約の上、申請書の郵送と講習会費をお振り込みください。

(2)申請書に必要事項を記入の上、都岳連事務局にご郵送ください。

(3)講習会費を郵便振替でお振込みください。
 「自然保護指導員 新規認定講習会受講費」と明記し、5,500円をお振込みください。
 郵便振替 口座番号 00130-9-317605番、口座名義 社団法人東京都山岳連盟

5.問合わせ・申し込み窓口
 〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-10 パークサイド7ビル 2F※移転後
 社)東京都山岳連盟 事務局
 電話: 03-3526-2550(月曜から金曜の13時から17時)
 Eメール: jimu@togakuren.com