7/20 東京都の最高峰 雲取山を歩こう! 自然保護委員がご案内[終了]

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東京都の最高峰 雲取山は日本百名山および関東百名山のひとつで、埼玉県と山梨県に接する2017mの名峰。山頂からは富士山は勿論、遠く南アルプスの峰々を望むこともできます。
経験豊かな(公社)東京都山岳連盟自然保護委員会メンバーが同行し、周辺の自然環境や歴史等をご説明しながら安全で楽しい山登りを実施、参加の皆様の山に関する素朴なご質問にお答えする「山登り基礎講座」も行います。
暑い時期でもあることから山頂に至る最短ルート、山梨県側の鴨沢登山口から入山、山頂を経て直下の雲取山荘に宿泊、翌日は七ツ石山まで足を延ばして同じく鴨沢に下山します。
実施日: 2019年7月20日(土)~21日(日)
集合: 20日午前8時25分 奥多摩駅 (新宿駅発6時46分ホリデー快速おくたま1号が便利です)
行程: 
  20日 JR青梅線・奥多摩駅(8:25集合8:35発)―<路線バス約35分>―鴨沢…小袖乗越…堂所…ブナ坂
    …奥多摩小屋跡…小雲取山(1937m)…雲取山(2017m)…雲取山荘(泊) 歩行約5時間30分
  21日 雲取山荘…雲取山…ブナ坂…七ツ石山(1757m)…七ツ石小屋…小袖乗越…鴨沢
    ―<路線バス約35分>―奥多摩駅(解散) 歩行約4時間
費用: 10,800円*消費税を含む。
なお、雲取山莊宿泊代(1泊2食8,000円)とバス代(ICカード往復1,254円)は含みません。
装備: ザック、軽登山靴、雨具、水筒、昼食2食分等、ハイキングスタイル
備考: 路線バス利用のため、持ってきた荷物は全て背負って歩きます。
   詳細な行程表・装備リストはお申込みの方々にご案内します。
※2019/7/10訂正 申し訳ございませんが実施体制の状況により、一般の方の募集をとり止めました。12月の秋の雲取山調査にて改めて企画いたします。
定員: 20名
申し込み: 住所、氏名、生年月日、自宅電話番号、携帯番号、緊急連絡先、これまでの山歴、山岳保険加入の有無を記載の上、7月10日迄に問い合わせ先へお申込み下さい。
 *個人情報はこの山行に関して以外は利用致しません。

問合わせ: (公社)東京都山岳連盟事務局へメールか電話で
Email: shizen@togakuren.com
電話03-3526-2550(月曜~金曜の午後1時から5時)
〒101-0048千代田区神田司町2-10パークサイドセブン2階

雲取山の環境調査山行2017夏への協力のご案内[終了]

p20160710ishione.jpg公社)東京都山岳連盟 自然保護委員会では夏季、冬季と年2回、東京都の最高峰、雲取山で定点観測を行っています。
2017年の今年、2017mの雲取には登山者が急増、また奥多摩小屋の存続も問題となっています。山岳環境問題に興味のある方、是非ご参加下さい。
なお、今回はロングコースを利用しての入山です。暑い時期でもあり、体調を十分に整えてご参加下さい。

東京都による浄化槽土壌処理方式(夏季用)、山荘自前の蛎殻を利用した循環式(冬季用)及び避難小屋(ソーラーシステムによる抜気)の各トイレの使用状況、石尾根の樹木の食害・立ち枯れ状況、沢水の水質等の調査に加え、小屋主から興味深いお話もうかがえます。

期日: 2017年 7月8日(土)から9日(日)
行動予定:
 8日(土)奥多摩駅8時30分集合―東日原…稲村岩…鷹ノ巣山…七ツ石山…雲取山荘泊 歩行 約7時間
 9日(日)雲取山荘…雲取山…奥多摩小屋…ヨモギ尾根…塩沢橋…お祭―奥多摩駅 歩行 約5時間30分
  (人数、天候によりルートの変更があります)

費用: 10,000円位(実費精算)
申込: 7月5日まで
  メールで次の情報をお送り下さい。
  氏名、住所、電話番号、年齢、血液型、緊急連絡先、山岳保険の種類、所属山岳会など
お問合せ、申込先:
  Email: 都岳連事務局 宛へ

  都岳連自然保護委員会 

写真:シカの食害でマルバダケブキは未だ残る

雲取山 環境調査山行への同行者の募集 2016年7月[終了]

東京都山岳連盟 自然保護委員会では、東京都の最高峰、雲取山で年2回の定点観測を行っています。
この環境調査山行への同行者を募集いたします。環境問題に興味のある方は、是非ご参加下さい。

行動予定: 2016年 7月9日(土) JR奥多摩駅 8時30分集合
 鴨沢…雲取山…雲取山荘泊
10日(日) 雲取山荘…鷹ノ巣山…稲村岩…JR奥多摩駅

詳細は、参加希望者にお知らせいたします。 なお、天候等によりコースの変更があります。

費用:10,000円位(実費精算)
申込:都岳連 自然保護委員会 までメールで次の情報をお送り下さい。
「氏名、住所、電話番号、年齢、血液型、緊急連絡先、山岳保険の種類、所属山岳会など」
〆切り:7月7日までにお願いします。
お問合せ、申込先 Email: 都岳連事務局 宛へ

東京都による浄化槽土壌処理方式(夏季用)、山荘自前の蛎殻を利用した循環式(冬季用)、及び避難小屋(ソーラーシステムによる抜気)の各トイレの使用状況、石尾根の樹木の食害・立ち枯れ状況、沢水の水質等の調査。小屋主から興味深いお話も伺えます。

雲取山定点調査山行 2009年冬編

雲取山定点調査山行 2009年12月12-13日

今回のルートは機動力を活かして後山林道終点まで乗り入れる予定が片倉橋で車両通行止め。予定より2時間の歩程が加算されて12:30に三条小屋に到着。
2年前の北京オリンピック景気の折りスクラップ価格が高騰し、市街ではマンホールの蓋さえ盗まれ始めた時に林道の鉄製落石防止フェンスまで狙われた模様、止む無く行政は車両をストップしたとのこと。

3年前に完成したバイオトイレの調査
三条小屋ご主人より丁寧な説明を頂く。年間大小合わせて3千~4千人がトイレを利用し、メンテナンスには利用者からのチップを使用するが、大半の利用者はノーチップとのこと。
抜気、バクテリア活性ための温水には三条沢の水力発電を駆使し、未だ活性炭交換の必要は無いとのこと。
しかし、循環液が最初の計画より多く排出され、これはリサイクルの一環として小屋近くの畑の肥料に使っている。

高度1500mを過ぎても山道には猪のミミズ捕食跡が多数見つかる。程なくして雪上に血痕、谷底に手負いのニホンジカを発見した。今年も害獣駆除の猟が行われていて、三条ダルミ上部より犬の呼笛を耳にした。山頂を巻く途中でシカを解体中の二人のハンターに出会った。雲取には月に一回、猟犬とヘリで入山し、今期の目標頭数は350頭とのこと。これも水源林保護の為には必要な捕獲か。

16:00に雪の三条ダルミに到着。遠くは藍の雪舟、近景は茶の魁夷を偲ばせる景色を堪能した。初級冬山訓練をしながら、17:00ごろ下界の夜景を見下ろす雲取山荘へ到着した。
雲取山荘では、11月初旬より冬期トイレの使用を開始した。

大腸菌検査を三条小屋の沢と奥多摩小屋下の水場で実施し、水場で3個のコロニーが検出された。

投稿: 山根

雲取山調査山行 2009年夏編

雲取山定点調査山行 2009/07/11-12(土、日)

 前週4-5日の日山協自然保護常任委員北岳研修会の筋肉痛も未だ癒されないうちに雲取山調査山行が実施された。
 登りは昨夏と同じ大ダワ林道コースだが、今年は途中崩壊による車両通行止めも無く機動力を最大限に発揮し、前年比2時間の歩程短縮となる。

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 天気は時々薄日の差す程度で木々の枝葉も生茂り夏場にはもってこいの山行、下界では湿度が90%だがコースは大雲取谷からの吹き上げる風が心地良かった。
  10時の歩行開始から30分地点で高さ約2.5mの植物保護フェンスが張り巡らされていた。景観的には今ひとつだがフェンス内の植物は守られているようである。証拠にフェンス前までは偶蹄目の足跡が多数見られたがそこから先の草木は元気に育っていた。
 大ダワ手前のスズタケ群は更新中で完全に枯れてシオジ、クマシデ、ミズナラの大木が根元まではっきりと見渡せる静かな林である。コメツガ、カラマツの新緑の香りが素晴らしい。
 熊穴窪で水質調査CODと大腸菌検査を行う。落葉が多いためかCODはやや高めだが大腸菌は検出されなかった。
 13:05雲取山荘到着、日帰り出来る時刻だが小屋前で充分時間を掛けて野鳥観察、ツツドリ、カケス、ホトトギス、ウグイス、ヒタキ類が今を盛りと囀っている。
 翌朝、雲取山荘主の新井信太郎氏より樹木の寿命、生命力、自然界の不思議、野生鳥獣の生態、山小屋のトイレ事情など拝聴。その一例、山や林が荒れるのは昔のように炭や薪を取るため定期的に伐採しなくなったから、木には充分再生能力がある。鹿の食害は確かに増えた、小屋の前に栽培したヤナギランまで食べに来る。5年間禁猟になった熊も60年間で実際に目撃したのはたったの3回だけ、熊も餌の少ない山の中より食料たっぷりの人里を好むようだ、など々。
 今回心に残ったご主人の「60年、山に居てもわかんねえ事ばかり」なんと謙虚なお言葉か。早朝気温11℃の1時間の講義では身も心も引き締まる思いがした。

参加委員: 小高、小原、小林、山根  その他参加者4名、計8名
投稿:山根
写真:小原  雲取山山頂付近とマルバダケブキ、 水質検査の様子

参考:マルバダケブキ、メタカラコウ属[oNLINE 植物アルバム]

雲取山定点調査山行 2008年冬編

雲取山定点調査  2008/12/13-14

 10年目になる雲取山定点調査を行いました。毎年コースをいろいろ変えながら行っていますが、今回は鴨沢往復としました。
 途中の水場で水質調査をしましたが、大腸菌は検出されず、CODも全く問題ない数値でした。
 山頂から山荘への道はカチカチに凍っていてアイゼンを装着。アイゼンの「さび」落としがしっかりできました。
 小屋からワインと日本酒の差し入れがあって夜も盛り上がりました。翌朝は信太郎氏不在のために息子のテルカズ氏からお話を聞きました。話題が多岐にわたって、報告をまとめるのが大変です。詳細は後日掲載予定。
 夜半から降り出した雪は15cmほど積もったでしょうか。雲取山の景観はすっかり変わり、参加メンバーにとっては初雪で、素晴らしい景色に歓声を上げながら下山してきました。

参加委員: 小林、小原、小高、他
投稿:小高

雲取山調査山行 2007年冬編

 大陸性高気圧に覆われた好天気の2007年12月15日~16日、雲取山調査山行が実施された。9:42、鴨沢から9名で入山。10:40、最初の水場で水質調査COD(化学的酸素消費量)測定。今夏の調査では登山道を横切る迄のパイプが破損しており検査は上部の湧水地点で行われたが山の管理者の御陰で綺麗に補修されており本来の箇所で充分な水量が得られた。水場上方は樹林帯で水路はその中を通っている為に岩質経由の水の味とは若干異なる。水温7℃反応時間10分設定、結果は標準色数値の「7」、夏の測定値より少し下がってはいるが水中の酸素量は少ない、夏期測定値比較で今回は①水量が多い(少量では地下水の地中通過時間が長いとバクテリアとの接触時間が増加)、②気温、水温の下がるこの時期は水中微生物の繁殖度が下がっていること等が考えられる。この水場では嗽程度の利用をお勧めする。
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堂所経由でマムシ岩辺りから山道に僅ながら雪が現れ始める、例年同時期の調査では見られなかった積雪が七ツ石を巻きブナ坂迄の日陰斜面では凍り始めている。登山道には堅果が多くみられ、今年は堅果類が豊作のようである。
 石尾根は見晴らしの良い防火帯でここから立枯れ現象が現れる、数年での比較で立枯れの推移は如実に判明しないが他の山域同様徐々にではあるが樹木の勢いが無い様に見える。北斜面は唐松の樹林帯でニホンジカの食害防止の為に所々の幼木にも保護柵が巻かれているが柵内の木々は殆ど枯死状態であった。夏には勢力を誇示していたマルバダケブキもきれいに刈取られている。奥多摩小屋辺りから霰が舞い始め山荘までは巻道を行く、9月6日の台風9号の爪跡著しく栂やシラビソが山道から見える範囲で数十本、推定で百本位倒木との事、雪を被った山道も様相が変わっていた。15:20雲取山荘到着。
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 翌日、雲取山荘主人新井氏よりお話をうかがう。冬季利用の牡蠣殻トイレ:この冬は例年より寒さが早く11月10日頃から稼動。昨今騒がれている地球温暖化について、雲取山にいたっては年間を通して氷点下プラス・マイナスの日数をトータルすると、毎年ほぼ同じ数字であるとの事。ただ、台風は昔より大型で倒木被害が多くなってきている。
 実際利用してみた山荘のトイレは山の中とは思えない程清潔で快適である。雲取山は都心に近いこともあり「きれいで設備がよくて当たり前」と思っている人が多く、利用者のトイレ基金もマイナスとの事。それでも「自然が好きだから、守りたいから」山を汚さないトイレを維持管理していくという氏の言葉が印象的であった。山小屋生活52年、この山を知り尽くした氏の一言一言には重みがあり山への愛情を強く感じた。
 雲取山登頂、避難小屋トイレ調査、トイレットペーパーは無いが清掃されている。
 避難小屋前より改めて石尾根を見る「やはり樹木全体に元気がない」森の400年周期の為だけなのか?
 投稿:山根、長谷川、 写真:小原

 写真:雪の尾根の左の林は鹿の食害で皮が無い、夏はマルバダケブキの草原になる、中央が新井新太郎氏