大気汚染の指標生物、ウメノキゴケ :委員のつぶやきコラム

p20110930umenokigoke.jpg  最近、山に入るまでのアプローチで楽しみにしていることがある。農家の庭先にある梅の木や登山口あたりにある桜の幹を見ながら歩くのだ。幹に環境指標生物のウメノキゴケが着生していると、ああここは二酸化硫黄濃度が低いんだと、心が安らかになって思わず深呼吸したりする。
 ウメノキゴケは葉状地衣類の一種で必要な水分や養分を雨や霧、露などの空気に含まれる水分や無機物から吸収している。そのために、大気中の汚染物質の影響をモロに受けるので汚染濃度の高い市街地などでは見られない。
 今年7月に中央沿線の百蔵山(1003m)に登ったが、狭い山頂のど真ん中にある桜の幹のあちこちに、灰緑色の葉状体を発見した時は単純に「近くていい山」を実感したものである。

宮崎 仁一郎

写真: 百蔵山山頂の桜の幹に着生するウメノキゴケ